あなたの周りに会った後や、会話やメールのやりとりした後にどっと疲れてしまう相手はいませんか? ひょっとするとその人は、あなたのエネルギーバンパイアかもしれません。
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エネルギーバンパイアってどんな人?
吸血鬼(バンパイア)のように相手の正気や元気という生命力や活力(エネルギー)を吸い取る人のことをエネルギーバンパイアと言います。
インターネットでの誹謗中傷は、書かれた相手、また実は読む人のエネルギーをも奪うエネルギーバンパイアの産物です。
人間関係は、目に見えないエネルギーの交換。
家族、恋愛、友人、職場、お店でのやりとりなど、どんな人間関係においても私たちはエネルギーの交換をしています。
とはいえエネルギーは目に見えないので、なかなかその存在を信じられないかもしれません。
アインシュタインが生み出した質量とエネルギーの関係式:E=mc²(Eはエネルギー、mは質量、cは光速度)。それはつまり、わたしたちを含むこの世界のありとあらゆる物質には膨大なエネルギーが込められているということ。
わたしたちを形成する原子の99.99999%がエネルギーで、物質は0.00001%にすぎません。わたしたちを含めた世界のどの物質も個体の物質というより、むしろエネルギーの場なのです(1)。
身の回りに、延々と愚痴や悪口、噂話を浴びせかけてくる人はいませんか? 言霊という言葉がありますが、言葉にもエネルギーがあります。もちろん、ときに弱音を打ち明け合うのは互いの信頼関係や絆を深めるのに良いことです。
でもその人がいつもそうなら、それは無意識にあなたの時間やポジティブな気持ち、そして生気を奪っていることになります。
精神科医やカウンセラーという職業は訓練を積んだうえで負のエネルギーを吐き出せる安全な場を提供し、対価を得てそのエネルギーを受け止め、ポジティブなものに変換するサービスを行っています。
そこで、そうでない関係性の場合は、自分を差し出せる範囲をあらかじめ決めておいたり、距離をおいたり、エネルギーシールドを作ったりと自分のエネルギーを守る方法を身につける必要があります。
「普通はこうだ」、「○○すべき」、「あなたのためを思っていっている」という一見助言に思える意見をいう人たちもエネルギーパンパイアの可能性があります。
あなたが変化したり、何か挑戦しようというときに、「君はこういう人間ななず」「それはあなたらしくない」「○○はどうなるんだ」と制限してくる人たちも、あなたの生命エネルギーや創造エネルギーを奪うエネルギーバンパイアかもしれません。
エネルギーバンパイアの見極め方。
その人と関わった後に、リフレッシュしたり、穏やかな気分になったり、やる気が出たり、楽しかったり…。たとえ厳しい助言を受けたとしても、バランスの取れたエネルギーの交換が行える相手は、エネルギーバンパイアではありません。むしろ、あなたに活力を与えてくれ、相手もあなたのことをそう思っている場合は、互いの生命エネルギーが健康的な形で循環し合える貴重な存在です。
エネルギーバンパイアかどうかを見極めるポイントは、その人と関わりを持った後の自分のエネルギーが軽やかに感じられるかどうかです。
疲れたり、気持ちが落ち込んだり、やる気が削がれたり、焦ったり…。その人と関わった後に、何かを受けて自分のエネルギーが重い感じがしたり、胸がギュッと小さくなったり、肩や身体が堅く緊張していると、エネルギーバンパイアの可能性が高いです。
体と頭で聞いて、正しいアドバイスと正解を見抜く。
相手が常にエネルギーバンパイア状態ではないとき、またたとえその人がエネルギーバンパイアではなかったとしても、誰かから助言や意見を受けたときに、それが自分のエネルギーを高めるものか落としめるものかを判断したいときがありますよね。
そんなときの見極めのコツは、全身全霊で聞くことです。
1 全身全霊で聞く
心だけで聞くと、どうしても私たちはそれが「好き」か「嫌い」か、「良い」か「悪い」か、という感情と思考で判断してしまいます。
一見「正しい」ものも、「嫌」なものも、全身全霊の自分、深い智恵と繋がる自分、人生を俯瞰し、より客観的な視点で物事を捉える自分は違った判断を持っている可能性があります。
そこで、聞いた言葉は体全体で感じます。
以下はわたしがカリフォルニア州にあるエサレン研究所という場所で暮らしながら指導されたスザンヌ・スカーロック・デュラーナの『フルボディ・プレゼンス』というセルフ・ヒーリング法と、自身のプラクティスとして行なってきたマインドフルネスと禅の体験から活用させたものです。
『フルボディ・プレゼンス』は、クラニオセイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)、瞑想、ヨガ、アメリカ先住民の智慧などを組み合わせ、体の感覚と意識の潜在力を使って、思考や行動パターンを癒し、身体感覚をフル稼働させてベストな決断を下すテクニックです。
筆者がエサレン研究所のフルボディ・プレゼンスの授業中にクラスメイトに癒しのエネルギーを送っている様子。
2.グラウンディングが全ての基礎
イヤイヤ期の幼児や反抗期のティーンのように現実と自分を切り離して判断してしまわず、地に足をつけた見極めが出来るように、文字通り足裏の感覚を感じます。
この作業をグラウンディングと言います。現実離れしないためには、目と耳と全ての感覚を開いて、十分にそこに存在することが大切です。グラウンディングはそれを可能にします。
また大地に足を根付かせることで、地球のエネルギーと一体化して、それを体に充満させるようイメージしてください。これはエネルギーシールドにもなります。余談ですが、今暮らしている家の家主は山伏さんなのですが、彼女も毎朝裸足になって大地を踏み締めています。
グラウンディングしたら、直接会っているときは、体でその人が発しているエネルギーを感じます。
3.情報を体で感じる
会話の場合は、その人が発する言葉の音を感じます。言葉が持つ意味の奥にある音のエネルギーをとらえるのです。これは羽黒山の山伏 星野先達にも受けたアドバイスです。メールの場合は文面を読んだとき、体を流れていく感覚を味わいます。エネルギーを頭だけに流して思考だけで判断してしまわないように、頭が反応を下すまでのスペースを作ります。
これを繰り返していくと、言葉の内容や文面の奥に流れるものが追加情報として感覚的に捉えられるようになっていきます。
4.静かに「わかる」感じがしたら、それが正解
この時点で静かに「わかる」場合は、その判断が正しいです。
嬉しがりすぎていたり、悲しすぎていたり、変に感情が昂っている場合は、地から足が離れてしまっている可能性が高いです。
5.思考を使う
4までのステップで判断がつきづらい場合は、体で感じた後で、頭で聞きます。
具体的には、その人と自分の関係性を振り返ります。打算的に聞こえるかもしれませんが、言ったその人が自分に対して今までどういった対応をしてくれたのか。その人はどういう生き方をしていて、それは自分の心と体と魂が向かう方向性と合致するのか。それを判断材料にします。
「あなたのためを思って」と言う人が本当にいざというとき、あなたの身になってくれていたのか。冷静に判断しましょう。
あなたの人生をいつも応援してくれている人が「NO」と言った場合は、「そういう考えもあるのか。わたしは状況を完全に理解していないのだな」と一旦ニュートラルになります。
そのうえで引き続き、地に足をつけた状態で、腹の底から「Y E S」とGOサインが出る場合は、その人に感謝の気持ちを贈りながら自分の決定に従ってください。
質が違うエネルギーは引き合わない。
エネルギーというのはあまりに質が違いすぎると、場を共有することができません。
そこでもし素敵だな、という人がいれば、その人のエネルギーを感じてみてください。そしてその感覚と同じエネルギーを自分から発すためにできることを一つずつ行なっていきます。
また身だしなみと同じように、自分が誰かにとってのエネルギーバンパイアになっていないかを気をつける、エネルギーのマナーも大切です。
自分を守ることを赦そう。
エネルギーバンパイアから身を守ることは、自分勝手なことではありません。
あなたというエネルギーを輝かせ、豊かなエネルギーを周りや世界に広げて交換し合うのに必要なことです。それは被害者意識から自由になって自分の体験を主体的なものとし、地球全体にポジティブなエネルギーを循環させるという貢献にもなります。
Makiwari Radioでも聴けます。
参考
(1)ジョー・ディスペンザ著、東川恭子訳『あなたという習慣を断つ』(ナチュラルスピリット)