今朝シャワーを浴びていたら、突然お湯が水になったんです。しばらくして再び水がお湯に戻った瞬間、ものすごくホッとして幸せな気持ちになりました。同じお湯なのに、ありがたさが倍増したんです。これは望む現実に流れを変えるために起きていること、コントラストを知る、のようなものです。
コントラスト(contrast)とは、対比とか対照という意味の言葉です。なにかとの違いがハッキリするような正反対のものをいいます。たとえば光は闇があるからその存在が際立って、光とはどんなものなのかがわかります。
私たちの身の回りを振り返ってみましょう。
たとえば犯罪者がいるから警察があるように、温かさがあるから冷たさを感じられ、喪失感があるからつながりを味わうこともできます。
ある環境を不満だと思うから、じゃあどうしたいんだろう?と望みを認められるようになります。
耐えて、耐えて、耐えて、もうイヤだ!! と思ったことはありませんか?
それがコントラストを味わい切って、願望を飛ばした状態です。
だからお金とか肩書きとか大事な人とかを「失った」ということは、単なるネガティブじゃないんです。
もう目を覚ますときですよ。望みを出すチャンスですよというサインです。
嫌なことに過剰に反応して、「悪いことだ(それが起きている私はなにかがおかしい)」と必要以上に引っ張られる必要はないんですね。
起こることは、そのときに起きる必要があったから起きています。
現実をありのままに見ていくとき、「起こるべきではなかったのに」と考えていることは、起こるべきだったんだということも明らかになります。
私たちは望まない出来事をコントラストとして体験することで初めて、自分がなにを望んでいるかを明らかにすることができます。
そのために「起こるべきではなかったのに」と私たちが考えていることが起きています。
人生経験はいうなれば、自分の考え方や願望を拡大させるためのデータ集めです。
本当の自分(ありのままの自分というパワー)に気づくための冒険ともいえるでしょう。
それは、ありのままの自分では、自分が望む希望にもとづく世界を作ることはできないというのは思い込みだったんだと気づいて、手放し、本来の力を取り戻すという冒険です。
アメリカの比較神話学者のジョセフ・キャンベルは、数々の神話から英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)には8つの鉄則があると見抜きました。
1. 天命 (使命が降りる)
2.旅立ち(冒険に出る)
3.エッジを超える(成長して問題解決する)
4. メンター(本当のあなたに気づかせてくれる人との出会い)
5. 悪魔(宿敵に負け、自分の力は付け焼き刃だったと気づく)
6. 変容(スキルではない本当の自分の力が身につく)
7. 学びの完了(悪魔を倒し、目的を果たす)
8.帰還(成長して故郷に帰る)
です。
冒険は不安になります。それでも冒険してしまうのは、その先に広がる新しい世界を見てみたいからではないでしょうか。それは本来の自分に戻ったときに目の前に広がる世界です。
本来完璧でひとつ(ワンネス)だった私たちが分かち存在すること、つまり冒険を選んだのは、コントラストを体験することで得られる深い体感を求めたからだと思います。
ありのままの自分にOKを出せないというしんどさを鏡のように見せてくれる相手や出来事を創造(投影)しながら。
参考:困ったこと、避けたいことが起きるのは、私たちがハイヤーセルフだと思い出すため。
自分で望まない体験を望んで創造しているとは、一見信じられないような話ではありますが。
わたしの大好きな”生まれる前の小さな魂の話”があります。
そのお話によると、わたしたちはこの物質世界に生まれる前の小さな魂だったときにあらかじめ体験したいことを決めてくるそうです。
例えばすべてが完璧で分離のない精神世界(ワンネス)では、怒りという感情を抱く体験ができないので、裏切られて怒った後に本来の魂という状態の赦しを経験したいといったように。
そこでは傷つけてくる相手が必要になります。ワンネスでは体験できなかった、コントラストを経験するための相手です。
その相手は、とても友好的な魂です。
その魂が、「じゃあ、わたしがあなたの次の物質的な人生でなにかをするから、それをあなたが赦したらいいよ」と請負ってくれたんです。
小さな魂であるわたしは、「え、どうしてそんなことをしてくれるんですか? あなたはとっても完璧なのに」と仰天します。
すると友好的な魂は、「あなたを愛しているからするんだ。赦しとしての自分を体験したいんだろう?」といって、「でも約束してほしい。想像しうる限りあなたに最悪なことをわたしがするとき、その瞬間に、本当のわたしを思い出してほしい」と言います。
そして小さな魂は、「いまと同じように完璧なあなたをみます。本当のあなたをいつも思い出します」と約束します。
このお話を書いた著者のニール・ドナルド・ウォルシュは、私たちが他者と関係を持つ目的は、本当の自分が何者なのかを決定し、宣言し、創造し、経験し、最高の姿を表現するためだと言います。
たったひとりではコントラストを体験できないので、自分という人間を知ることも、望み(本来の完璧な自分)を表現することもできないからです。
そこで望まない現実が目の前に現れたときに、これは冒険なのだと気づいて本来の力を取り戻すために、以下の3つの方法がとれます。
1. そのまま受け入れる
2. そのなかでも良い面を見つける
3. 望まないポイントに意識を向けない
とはいえ私たちにはコントラストを経験するとイヤな気分になる、というのをあらかじめ設定し、その前提条件を設定していることを忘れている状態なので、どの方法もスムーズに選ぶというのは難しいでしょう。
そんなありのままの自分を認めます。
そしてそれをおこなうのか、そのどれをとるのか、それらを組み合わせてみるのかは、そのときどきの自分がピンときたものを選べばいいのだと思います。
参考:もう1人で悩まなくてOK! オラクルカードで自分を超える答えを導き出す方法。
現実と言い争うとき、私たちは苦しみます。
物事を内面の葛藤なしに見れば、その奥にある因果関係が理解できるようになります。
気に入らないことは何なのでしょうか。
何を必要として、代わりにどんな体験を求めていますか。
好き嫌いをはっきりさせて、自分の決断をします。
参考:自分本位は自分勝手じゃない。ありのまま、人間らしくいるための5の方法。
たとえば、
疲れたら休む。
自分をいつも最優先にして生きる。
嫌いなことは一切しないで、好きなことだけして生きていい。
というようなホンネかもしれません。
そんなふうに思うと、どんな気持ちになりますか?
罪悪感を抱きますか?
では、なぜそうしてはいけないと思うのでしょうか?
なぜホンネの願望を認められないのでしょうか?
そこに手放すべき観念(信念)があります。
参考:観念とは? 自分でも気づいていない、願望を妨げる観念を掘り起こす。
コントラストを体験したということは、もう重荷を降ろして身軽になっていいということです。