願望実現の鉄則、良い方向に視点を向けるとはどうしたらいい?

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生ゴミから肥料ができる様子を見て、感動したことがあります。リンゴの皮や腐りかけの玉ねぎ、雑草や動物のフンなどが肥やしになり、美しい花やおいしい野菜という新しい命を育むんだなぁと。願望実現の鉄則でも語られるところですが、このように良い方向に視点を向ければ、悪いこともすべて時を経て肥やしになることが感じられます。そのためにはまずどんな感情も迎えいれること。味わい切った後は肩の力を抜いて栄養に変わるのを待ち、やってきたインスピレーションに従うことです。お話ししたいと思います。

ジンジャーケーキを焼きました。ケーキでもパンでも焼き立てっていい匂いがして、すぐに食べたくなりますよね。でもこのジンジャーケーキ、すぐに口に入れたらしょうがの辛さが鋭いんです。あれぇ、失敗したかなぁと思って翌日に食べたら、カドがとれてグッとおいしくなっている。寝かせる時間が育んでくれた深い味わいがします。

ほどよくピリッとするジンジャーケーキをマインドフルに味わっていると、私がマインドフルネスをおこなうようになったきっかけを思い出しました。

それは、今から10年ほど前の出来事で、ティク・ナット・ハンというベトナム出身のお坊さんのマインドフルネス合宿に参加したことでした。

当時の私は、プライベートでも仕事でも苦しい毎日を過ごしていました。

今まで私がやってきたことはなんだったんだろうなぁと、つらい思いを抱えていました。

それで参加した韓国のお寺で開かれた合宿。そこで彼は蓮の花のたとえ話をされたんです。

池に浮かぶとても美しい蓮の花。目には見えないけれど、池の下にはどろどろした泥土があって、それを栄養にして美しい花を咲かせている。

だから、私たちの内面の痛み、怒りや憎しみという感情も美しい花に変えることができるんだと。

そして彼が教えてくれたマインドフルネスでは、

悲しみや怒りを変えようとせず、いったん認めます。

ハン師は、その感情に微笑みかけて「こんにちは、怒りさん。私はあなたがそこにいるのを知っていますよ」と認めてあげましょうとおっしゃいました。

「怒ってはいけない」とか「憎んではいけない」と抵抗して自分の感情を認めないと、それが暴力になっていつの間にか内面に溜まっていくからと。

「大丈夫」と言い聞かせて溜めてきたコップの水があふれるように、私たちの我慢のキャパシティを超えたとき。

それを吐き出すために怒ったり周りの人に乱暴な言葉を吐いて傷つけてしまったり、あるいは怒りの矛先が自分に向かって必要以上に自分のことを否定したり責めたりして苦しい重たい気持ちになります。

マインドフルネスが教えてくれたことは、良い方向に視点を向けるとは、無理にポジティブ思考になるということではないということ。

それは嫌な感情をありのまま認めて、今の時点の自分にはわからなくても、いずれ肥やしになるときが来るのだろうとリラックスして味わうことを言うのです。

初めての合宿では、いろんな思いをたくさん受けとめました。こんなに泣けるの?っていうぐらい、合宿では涙がボロボロとあふれて一生ぶんぐらい泣いていました。

ティク・ナット・ハン師のマインドフルネスの呼吸法、瞑想法について具体的に知りたい方は、こちらの本をご参考にしてみてください。

これからお話しすることは、ちょっと無責任にも聞こえるかもしれません。

誰かへの励ましのメッセージでも日記でも記事でも物語でもなんでも。

文章を書いたときに、自分が書いたものを読んだ後で、自分を通ってきたなにかを手を動かして下ろしただけかもしれないという感覚を持たれたことがある方、いらっしゃいませんか?

参考:プルシャとプラクリティ

私はそんなふうに日に日に思うんです。

究極的には私たちのものってなにもないんだと思います。

それはお金やものや肩書きなどの目に見えるものもそうですし、能力とかスキルとか運とか目に見えないものもそうです。

考えや信念(観念)も、いろんな人や背景の影響を受けて培われるものです。

もともと自分にあったものではないですよね。

それをもとにして形づくられる感情も、ものすごくリアルに自分のもののように思えますが、

すべては循環していて、あるタイミングである条件がそろったときにその人に現れるもので永遠じゃない。

その人のものではなく、大きな流れにあるものなんだと思います。




もちろん「自分のものじゃないから」と無責任になっていいと話したいのではありません。ネガティブな感情の影響を理解し、自分の感情の管理に責任は持つことは大切です。

でも、自分の内側にあるけれど自分そのものではないと思うぐらいのライトな関係性がちょうど良いのではと思うんです。

というのも重く取りすぎたことで、感情を抑圧したり、無視したりした結果、積もり積もって人や自分にぶつけてみたりと破壊的な関係性になってしまうことが多いから。

自分のことを振り返ってみても。

だからハン師が教えてくださったように、少し立ち止まってネガティブな感情を感じ切ります。頭のなかでおおごとにしたり、逆に無視することで暴走させたりしないように。

それが肥やしになるタイミングはそのときどきだから、「いつか、まだか」と焦らないようにしながら。好きな温かいドリンクでも飲みながら。

あるがままの自分を肯定し、思いっきり自分を甘やかしてみます。

怒りや悲しみや恐怖を取り除くには、それを認めて、ささやかでもいいから具体的に自分自身を愛する行動を取るのが一番です。

だから本当は大丈夫ではないときは、安易に「大丈夫」と言わないようにします。大丈夫じゃない感じを味わってみます。大丈夫じゃないときに自分に大丈夫と無理に思わせようとすると、それは暴力になって内面に溜まっていきます。

苦しみを見守り、惨めさと混乱と自己否定の奥で鼓動している素晴らしい心に目を向けます。蓮の花の泥土のように。

すると「もう私、このまま進んでも大丈夫だな」と思って手放せるときが来ます。

参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法

まずは嫌な気分を味わってもいいよと認めてあげることです。動けないときは、立ち止まっていいよと微笑んであげることです。

立ち止まっている時間は不安ですが、そこで英気を養い、大きな変化の波に乗ってから行動したほうが圧倒的にうまくいきます。

感情は生まれて、また消えていきます。

消えた先にはまた新しい感情が生まれて、また消えていきます。

永遠ではありません。

感情は感じなければ、「気づいていないの?」「ここにいるよ」とくすぶり続けますが、

きちんと受け止めながらちょっとライトなぐらいの感覚でつき合うと、振り回されにくくなります。自分を傷つけてしまうような破壊的な衝動にも駆られにくくなります。

願望実現につながるような、幸せへとスムーズに移行するような視野も広がります。それは心理学の研究でも語られること。

参考:幸せへスムーズに移行するための不滅の原則があった!望む現実を創造するカギ、“赦し”について徹底解説します。

そうしてリラックスした状態で流れに身を任せているうちにやってくる、ピンときたインスピレーションに従います。

嫌な感情を敵視せず、ナビとして役立てます。

ジャーナリングなどで書いて気持ちを整理するのもいいでしょう。

参考:自然なあなたが一番美しい。ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法。

今感じていることをリラックスして受け入れていたら、世界はそれに応えてくれます。

自分が本当にそうしたいんだと心から思って行動に移せば、そういう道が開けます。

願望実現の良い方向に視点が向いています。