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バースヴィジョンとは?
私たちは、魂、心、肉体を持つ多次元からなる存在です。そして肉体を持つ前、生まれる前に魂が設定してきた人生の青写真がバースヴィジョン。私たちの魂は、肉体を持つことで霊的な状態では体験できないことを学んで成長したいとバース・ヴィジョンを持ってこの物質世界に生まれてきています。
魂が設定するバースヴィジョンは、恐れや不安を持たない場合の最高バージョンの私たちの人生計画です。それは肉体を持たない、痛みも苦しみもない霊的な状態で、愛や力強さを体験して魂を磨くのに最適だと立てた構想だからです。
魂を成長させるために最適な親、設定を選んで生まれてくる。
私たちは、単なる卵子と精子の偶然の結合として生まれたのではありません。そういった物質次元だけではない多次元の存在です。そして生まれたばかりの赤ちゃんとは、魂にもっとも近しい存在。愛と調和という生命エネルギーの根幹である大いなる源に近い現れです。
『前世を記憶する日本の子どもたち』の著者で産婦人科医の池川明先生も語ります。赤ちゃんたちはみんな受胎する前に、自分に必要な学びを与え、魂を成長させるために最適な親や設定を選んで生まれてくるのだと。そして前世記憶を持つ子どもたちは例外なく口を揃えて「お父さんやお母さんを幸せにするために」生まれてきたと言うのだそうです。
愛を知る、愛となること、内なる力、つまり自分こそが創造の源なのだと思い出すことは、すべての人に共通するバースヴィジョンの目的です。
ところが、生まれてすぐに虐待や病気などで愛を知る前に命を失う子どもたちもこの世界にはたくさんいます。では、彼らのバースヴィジョンは何なのか、とやるせない思いになります。彼らのバースビジョンは残した親たちや、そのような結果を生み出した社会に生きる私たち全員に、深い学びと変化を与えるという、より大きな愛を目的としたバースヴィジョンなのだと思います。
生まれた目的を何を通して体験するのかというやり方は、ある人にとっては、教えることかもしれません。ある人にとっては、陰で支えることかもしれません。または何かを生み出したり、表現したりすることかもしれません。たった一人の人を愛するということかもしれません。私たちは、それぞれに個別のバースヴィジョンを持っています。
バースヴィジョンを思い出すと、天職や生きがい、豊かさとつながる。
ところが私たちは恐れや不安に妨げられることで、その目的や方向性を思い出せず、途中で道に迷うことがあります。
そこで、自分が何を通じて、何を成し遂げようとこの物質世界に生まれると決めてきたのか。バースヴィジョンを思い出すことで、どう生きたいのか、何を表現し社会にどう貢献したいのかを知り、生きがいや天職(社会でのお役目)へとつながっていきます。
また、バースヴィジョンを知れば、すべては自分が選択して行動した結果なのだと気がつきます。どんな体験も魂を磨くためにそのときの自分にとって最適で最善の方法だったと知るのです。そんな気づきを得ることで、より現実の全体像をつかめるようになれば、望まないパターンを手放すことも、望むように現実を選択し直す力強さも許容できるようになります。
バースヴィジョンを思い出す①直観やシンクロニシティ
バースヴィジョンを思い出す方法は、いくつかあります。
例えば、ひらめきや直観、シンクロニシティに気づくことです。これらはすべて魂からの直通サインだからです。ところが、「こうしておかないと」「あぁしなきゃ」という頭の声に対して、とても小さなささやきなので、打ち消されることも多いです。
シンクロニシティの気づき方:シンクロニシティ(共時性)を起こすコツ。意味のある偶然をつかんで幸運体質になる方法
直感力の磨き方:エネルギーの時代へ。絶体絶命の成功者を守ってきた直感力を磨く3つの法則
「何となく行ってみたい場所」「やってみたいこと」がふと浮かんだ場合は、「よしきた!」とぜひキャッチしてください。そして、とりあえず理由や結果がわからなくてもその都度叶えてあげてください。それはバースヴィジョンにつながる可能性が高いからです。読まずに放っておいた本が急に読みたくなったり、古い友達から連絡がきて、何気ない一言からヒントを得るかもしれません。
何もやりたいことが浮かばないときは、頭でっかちになっているか、心と体が疲れています。そんなときは、無理にやりたいことを見つけようとするよりも、なるべくやりたくないことをしないこと、無理をしないこと。私は強制終了して寝ることにしています。スッキリしますよ。寝ることは、魂とのミーティングとも言われています。
それで少し元気になったらお風呂にゆっくり浸かったり、お気に入りのカフェでホッとしたり。まずは心地よいこと、リラックスできることをしてください。焦らず緩やかに生命力を取り戻すことで、ひらめきや直観、シンクロニシテイを受け容れるスペースも生まれてきます。大丈夫。
参考記事:いい気分だといい情報にアクセスできる
バースヴィジョンを思い出す②幼いときに好きだったこと、得意なこと
子どもの頃は無邪気に「パン屋さんになりたい」「漫画家になりたい」「サッカー選手になりたい」など言っていましたよね。私も小さい頃の夢は、絵本作家でした。
でも大人になるに従って、素直にやりたいことやなりたいものを認められず、バースヴィジョンが見えにくくなり、妨げられる場合が多いもの。それは誰かと自分を比べて、あの人のほうが上手だ、才能がある、と自分の表現を閉ざしてしまったせい。
私の場合は、中学生になってフジエさんというものすごく絵が上手な同級生が登場したんです。それから彼女と自分を比べて、絵を描くのをやめてしまいました。今は「なんで誰かと比べたり、自分のほうがダメだって思ったんだろう?」「ある特定の層の、より多くの人に選ばれないと価値がないってどうして信じていたんだろう?」と思います。だからここで絵本を書いていたときの延長上で、皆さんにお手紙を書いたり、絵を届けてみたりしています。最近は、オラクルカード作りも始めました。
このように純粋な思いで自分を表すことには、あなたの魂が喜ぶ、もうそれだけで十分やってみる価値があります。そのときに、こういう形じゃないと、と表したい自分の気持ちに制限をかけないことです。
別に人に頼まれなくてもやりたいこと、やってしまうことってなんですか? 今まで何気なく長い時間やってきたこと、続けられたことはありませんか? それはあなたのバースヴィジョンの手がかりになります。
バースヴィジョンを思い出す②両親や先祖の得意なこと、できなかったこと
また、私たちは両親を自分で選んで生まれてきています。彼らが得意なことや好きなこと、不得意なことや苦手なこと、を見つめることで、自分のバースヴィジョンを思い出すことができます。私は本をこよなく愛する母と、楽観主義で一つのことを学び続ける父の元で生まれました。そこで自分がこういうふうになったのだなと実感しています。
また、祖父の姉に望まない結婚で母娘共に海に身を投げて亡くなり、「須磨の仇波」という映画化された小説になった先祖もいます。彼女のことは、会社を辞めてアメリカに行き、そこで初めて会った伯父に聞くまで知りませんでした。それを知ったときに妙に自分の生き方に納得して、ホッとしたところがあります。
それまでは、社会的に認められないと、パートナーがいないと、子どもがいないと、と他の人が持っているものがない自分を追い詰めてきました。でも、彼女の自死を知ったときに、仕事したり、自活できたり、離婚したり、子どもがいないことで勉強を続けたいと会社を辞めて外国に行けたことなど、二世代前に生きた彼女だとできなかったことをすべて私はやらせてもらえているのだなと思えたのです。だから、色々失ったものや持てなかったもの、辛かったことも多かったですが、この先何もなかったとしても、とりあえず色々体験させてもらえたことで満足で感謝だなと。あとは親に恩返しできたらいいなと思えたのです(できてないけど笑)。
祖先の夢、彼らがうまく行ったことや行かなかったこと、死ぬまぎわにもっと違うやり方をすればよかったと思ったことなど。その成功や失敗から学ぶことは、バースヴィジョンを描くための大きな助けになります。
ある人は学者が多い家系だったり、小売人の多い家族に生まれたりもあるでしょう。それに抵抗せず、流されすぎもせず、冷静に客観的に自分の置かれた環境を見つめてみることはバースヴィジョンを思い出すことに役立ちます。
そこで親や祖父母と話したり、ご先祖のことを聞いたりすることは、バースヴィジョンに気づくうえで、実りのある時間になるでしょう。
バースヴィジョンを思い出す③病気、別れ、逆境などの試練
魂のサインを無視し続けると、私のように病気になったり、死にかけたりすることもあります。辛い別れもあります。ただし、それらは決して単にネガティブなものではありません。それもバースヴィジョンに気づくための魂からのサインなのです。
病気になった話:風の時代へ。冬至の心の毒だし、バシャールの現実創造で何が起こる? 突然顔面マヒに、ラムゼイハント症で緊急入院した話。
死にかけた話:マガジンハウスからホームレス編集者へ。アメリカ先住民ナバホ族の集落で死にかけて学べた私の幸福学。
魂が一生懸命「こちらのほうがやりたいと思っていた学びが体験できますよ」「それはあなたが設定した人生計画とは違いますよ」「何に焦点を当てたいのですか?」「もっとラクにやれますよ」と、愛あるヒントを出してくれているのです。
私が今の仕事をしているのは、就職活動直前に最愛の祖母を亡くしたことがきっかけです。誰かと比べて自分はダメだ、もっと優れた人がいると諦めて色々やめてきましたが、唯一毎日やっていたことが祖母に手紙を書いていたことだったと、彼女を亡くして初めて気づいたからです。
手紙を送る相手がいなくなった喪失感と、死について初めて強く深い実感を得たことから、誰かに手紙を届けるような仕事をしたい(=記事を書く)という思いが切実になって、新幹線代をバイトしながら出版社を受けて採用されたことが、今の「書く」「伝える」という仕事に向かうきっかけになっています。
参考記事:マガジンハウスからホームレス編集者へ。尊敬する編集の大先輩が贈ってくれた言葉、「ときどき深呼吸」が私の「書く」の研磨剤。
このようにバースビジョンに沿う物事は、一見難しそうに見えても諦めなければ達成されやすいものです。そこで何かがうまくいかなくなったときは、それもまた魂からの愛あるサインです。本当にそれはやりたいことですか? 悲観せず、その時点での最善とは何かと内観しながら本音を探ることがお勧めです。
ジャーナリングで本音とつながる方法:ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法
参考記事:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
失敗を恐れず、やってみればいい。
死んで魂に戻ると、バースヴィジョンをすべて思い出します。そして、どんなに大変だったことも苦しかったことも理不尽だと憤りを感じたことも、「あー、楽しかった」「いろいろと体験できたなぁ」となります。今はそう思えなくても大丈夫。肉体を離れることで、痛みや苦しみから自由になり、恐れや不安からの自己防衛や拒否、欲求への執着が薄れていきます。そして、「あのときもっとあぁしとけばよかったな。また次にやってみよう」となれば、それがカルマとなります。
参考記事:カルマとは何か?人生における3つの現れ方、カルマを解消する方法とは
だから、何かやりたいことがあったら、どうか恐れずにやってみてください。それは、あなたの魂が求めていることです。うまくいかなかったり、失敗したり、傷ついたとしても、きっとそこに魂が磨かれる学びがあるし、すべてを終えて魂に戻ったときには、「あー、楽しかった」「いろいろやれたな、よかったな」となるはずです。