願望が叶ったときの気分を先に味わうことで、望みを引き寄せられるという願望実現の「予祝」。では、不安や怒りを抱えているときにも、実現したエネルギーをいま感じるとはどうやったらいいの? 『バシャール2006―バシャールが語る魂のブループリント』から読み解きます。
目次
引き寄せの「予祝」とは?
あらかじめ祝うこと、前祝いすることを「予祝(よしゅく)」といいます。スピリチュアルに限った言葉ではないんですね。
たとえば、伝統的な農耕行事。
その年の秋の豊作を祈って、新春に行われる場合が多いです。
田植えや豊かに実った作物の様子を模して(先に演じて)予祝します。
では、引き寄せや願望実現の法則における「予祝」はなんでしょう。
望む未来の姿を先に味わって「ありがたいなぁ」「嬉しいなぁ」という気持ちを感じながら、願いを引き寄せること。
なぜ実現したエネルギーを先に味わう必要がある?
しかしなぜ、望む未来を実現させようとするときに、叶ったときの未来のエネルギーを先に味わう必要があるのでしょう?
目に見えない思いは、強い力を持つ。
それは目に見えない思いには、現実を動かすほどの強いエネルギーがあるから。
そこでお伝えしておきたいのが、天才物理学者アインシュタインが発表したE=mc2(エネルギー=質量に光の速度の二乗をかけたもの)という数式。
この数式では、物質とエネルギーが同じだと説明されています。
この世界に存在するものは、目に見えるあなたも私も、猫も犬も、目に見えないwifiや携帯電話の電波も、私たちの思いもすべてエネルギーだということ。
さらにジョー・ディスペンザ博士は、私たちとこの世界の99.99999%がエネルギーで、0.00001%が物質からなると言います。
つまり、私たちは目に見えているものが世界だと認識していますが、それは世界のごくわずか。0.00001%に過ぎないんですね。
目に見えない祈りや思いという目に見えないものが強い影響力を持つということです。
強い祈りで願望を実現してきた友達の話:好きを仕事にできる人の人生を動かす”祈りの力”。ビザもお金もなく渡米した薄衣希代子さんをマクロビオティックゆかりの梅農園主に導いた物語
同じ状態のものが引き合うという願望実現の法則。
では、なぜ願いが叶っていないのに、さも叶ったような良い気分を先に体験する必要があるのでしょうか。
それは同じエネルギー状態のものが引き合うからです。
有名な願望実現(引き寄せ)の法則の公式では、私の状態=現実(未来)の状態となります。
具体的にいえば、
Aの状態の現実は、Aの状態の人物に現れる。
Bの状態の現実は、Bの状態の人物に現れる。
そこで、Aの状態の現実は、Bの状態の人物には現れない。
ということ。
もっと具体的にいえば、
「○○したい(例:合格したい)」という願いに意識を向けていても、
「○○していない(例:合格していない)」状態の感情/気持ち(例:不足感、不安、絶望など)でいれば、まず「○○しない(例:合格しない)」ということ。
逆をいえば、
「○○している(例:合格している」」状態の自分が体感しているだろう感情/気持ち
(例:達成感、誇り、自信など)を感じていれば、
「○○する(例:合格する)」ということです。
そこで、望みがあるなら、まずその気分を先に味わう必要があるんですね。
エネルギーの先出しなんです。
嫌な気分なのに、実現したエネルギーを感じるなんてムリ!
とはいえ叶っていないときに、それを実現したエネルギーを感じる。
つまり嫌な気分のときに、良い気分でいることはすごく難しいですよね。
たとえば、バシャールが言うように、パイロットになりたいなら、「パイロットじゃなくても、パイロットのように考え、パイロットのように感じ、パイロットのように行動せよ」なんてムリ!
だと思いませんか?
悲しいとき、怒っているときに、幸せを感じろというのも無理があります。
また、完璧なパートナーがいないのに、そんな人と愛し合い、一緒に過ごしているように考え、感じ、行動するなんて不可能!
そもそもそれがどんな人かもイメージできないし、そんな人が自分を選んでくれるなんて空想することすらおこがましくてできない…、ともなりませんか。
バシャールからのアドバイス。
そこでバシャールは、「すでにそうなっているかのような状態にできるだけしばしば身を置くこと」が重要だとアドバイスします。
一体どういうことでしょう?
一番良いのは、今自分ができる環境のなかで、自分がイメージするその状態を味わうことです。
理想の家を引き寄せた夫婦
ひとつ例を挙げましょう。
私がアメリカにいたとき、素晴らしい朝日と夕陽をのぞめる家に住んでいるご夫婦がいたんです。
しかも破格の賃料で!
彼らは、最初に「毎朝、朝日で目覚められる家に住みたい」と願ったそうです。
それで不動産会社をまわったり、インターネットを検索したりしましたが、なかなか思うような家には、条件が違ったり、金額が高かったりして出合えませんでした。
そこで二人は、「じゃあ、毎日は難しいけど、毎月ふたりで一度、朝日を見に行こう」と決めて、実行したそうです。
それを続けて数ヶ月後。
ある日ふとネットを検索していたら、ぴったりの家が見つかったのだとか。
それが今彼らが暮らしている家で、朝日だけでなく、美しい夕日も家からのぞめます。
さらに「家で野菜を育てて食べたいなと思っていたけど、そのために十分な広さの庭もあるの」と笑顔。
ふたりは、当時の自分たちの生活でできることで、「すでに叶っている状態」、予祝を実行したんですね。
そのエネルギー状態でいることが自分たちの当たり前になったとき、エネルギーの法則で、理想の家で暮らすことになったのです。
実現したエネルギーをいま感じるための質問。
そして、実現したエネルギーを与祝するために、バシャールは、こんな質問を自分にすればいいと言います。
―もうその状態だったら、日常的にどんな行動をしますか?
―「それができるならなんでもする」という気持ちを、どんなふうに周りの人たちに示しますか?
―まだしていないことで、それをしたいという情熱を表現する行動がほかに考えられますか。
―それをしないのは、なぜでしょう?(そうならないと信じているからでは?=それが実現しています)。
―いままでとは違うことを信じてみよう。違う観念を持ってみようという意志はありますか?
行動できないほど気分が落ちているときは?
とはいえ、とてもショックなことで落ち込んでいたり、予祝行動をとれない時もあるでしょう。
それがあまりにも現状の自分とかけ離れすぎていると実行できないなら…。
願望に直結した与祝はとりあえず置いて、まずはほっとできる時間を持ちましょう。
あなたにとって、少しでも気分が浮上したり、リラックスできることはなんですか?
瞑想したり散歩したり自然に身を浸してみたり。
あるいは好きなドリンクを飲む、お笑いをみて笑う、ゲームをしたり、漫画を読んだりかもしれません。
望みとまったく関係ないように見えることでも良いんです。
まずは、気持ちを浮上させましょう。
参考:自分の周波数を知る方法。周波数を高めて幸せになるために重要なポイント
そして、叶う(物質化する)までには、タイムラグ(時差)があることを忘れないこと。
一番気をつけたいのは、タイムラグ期間に、「やっぱりムリじゃないか」と諦めて、元の叶わないエネルギー状態(=嫌な気分)に戻ってしまうことです。
目の前の現実は、あなたの過去のエネルギーの反映です。
だからどうか不安にならないで。
嫌な気分に引っ張られないでください。
参考:17秒、68秒、15分間…願望実現に必要な時間と具体的なやり方について。
そこで、願望に直結した行動をとろうとすることがストレスを感じるなら、まずはなんでも構いません。
今のあなたのエネルギーができるだけ浮上することを実行してください。
「何もやりたくない」なら、その状態に心が飽きる(満足する)までそうします。
あなたの心の言い分に耳を傾けて、心を満たしてあげます。
私たちのエネルギーは、自分の心の声をきちんとキャッチして、それを否定せず認めていけば、少しずつ浮上してきます。
浮上できないのは、自分の思いを認めてあげていないから。自己虐待がつづくと、望みが出ない、やる気も出ない状態になっていきます。
そこで、まずはあなたの本音を認めてあげること。
やがてエネルギーが上がったときに、実現したエネルギーをいま感じるための質問を自問自答します。
そこで、あなたがひらめいたことを実行に移してみてください。
「確実である」「知っている」というエネルギーを働かせる。
叶った状態を先に祝うことで引き寄せるという願望実現の「予祝」。
バシャールでは、実現したエネルギーをいま感じるとは、プロセスにとらわれず、「確実である」「知っている」というエネルギーを働かせ、かのように振る舞うことです。
目の前の人生は常に、今の自分自身を映し出してくれています。それを知りながら、そこに限定されない本当のあなた(可能性にオープンになった、願う自分)にとってふさわしい選択をしてください。
そして今日も明日も明後日も、今の私たちに感謝し、未来の人生をお祝いしましょう。
それはいつの日か、あなたの目の前の現実になっているから。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
参考:ハイヤーセルフの答えとつながる宇宙の書庫、ゼロポイントフィールドとは?