やりたいことや望む人生の過ごし方があっても、なかなかうまくいかない。その理由は、「世の中とはこういうものだ」「自分はこういう人間だ」という思い込みのせいかもしれません。これらの、社会や親の価値観、過去の体験などをもとに形づくられた考え方を観念(ビリーフ)といいます。私たちは観念にしたがって、ものごとを解釈して行動します。そこでうまくいかないのは、自分でも気づいていない観念が望みに向かう行動を阻んでいるせいである可能性が。今回は願望実現を妨げる観念を掘り起こします。
本を書くぞ!と決めたのに、なかなか書けないのです…。
嘘でも口角を上げると面白い気分になるというので、ペンを口にくわえてみたりしても、やっぱり書けない。全然、書けない。
で、ペルー人クアンデロ(男性祈祷師)のエミリオに「どうやったら、骨の髄に迫るようなホンモノの文章が書けるのか…。物語を書くって、さっぱりわからない」とメッセージを打ちながら、「自分の暗い部分に触れるのが怖いんだと思う。さらには、才能がないってことに直面することも、すごく怖いんだと思う」と綴って、ハッとしました。
これが私の願望を妨げる観念です。書けない理由でした。
参考(信念とも呼ばれます):願望実現をストップさせる根深いネガティブ信念を手放し、望む現実を叶えるABC理論とは?
読書感想文みたいな、体裁のよいものを書きたいわけじゃないんです。
でも創造の渦みたいな、自分の掃き溜めに触れるのは怖い。
さらには現したところで本当のゴミかもしれない…。
そんな不安や恐怖心があったら、書けませんよね。
その気持ちのもとになっている観念を見て見ぬふりしているから、「認められたい」「周りの評価で自分のことを大丈夫だって思いたい(自分で自分のことを認められないから)」というニーズが強すぎるんですね。いい子ぶりっ子をしているのです。
ジャーナリングでホンネを現すことも役立つ:自然なあなたが一番美しい。ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法。
このように観念が暴走し、ニーズが満たされない状態では、ニーズと願望がごっちゃになっているので、うまくいきません。
迷いなく無心で、まっすぐ願望に進むことなんてできないのです。
そこで観念に気づく必要があります。
学生時代に、こんなことがありませんでしたか?
試験中に限って、勉強しないといけないのに部屋の掃除をしちゃったりするなんてこと。
今の私も、めちゃくちゃ掃除しています。禅センター時代のように、床を雑巾で磨いちゃうぐらいのレベル。さらにお菓子やパンも焼きまくっています。
家事は、すぐに感謝してもらえるから、自己肯定感が上がりやすいんです。
でも書くって、私の場合は、そういうわけにはいかない。孤独な作業です。
家事や料理は、気晴らしになるうえに、周りの人も喜んでくれるので良いのですが。
でもそれを理由にして、書けないっていうのなら、本末転倒です。
「逃げ」になっているんだと思う。
先の「試験中に掃除しちゃう」から願望につながる行動を妨げる観念を掘り起こしてみると、以下のようになります。
【無意識にとってしまう行動】
試験中に限って、勉強しないといけないのに部屋の掃除をしちゃったりする。
【観念】
ひとつに、「私には能力がない」という観念が心の深い部分にあるとします。
【観念にくっつく感情】
そんな観念には、とても認めるのが怖い感情がくっついています。
たとえば、自分のことを愛せないとか、信じられないという不安や悲しみ、無力感です。
【思考・行動】
そんな感情を受け入れたら、ボロボロになってしまいそう…。
そこで心を内側から外側にシフトさせます。
たとえば、パッと周りを見渡せば、部屋が汚い。掃除しないといけないとなって、行動を移します。
その結果、十分に勉強する時間を取れなくなって、「やっぱり私には能力がない」と、その観念を強化するような行動をとります。
【うまくいかない現実のカラクリ】
「私には能力がない」という自虐的な観念を持つと認めるのは、とても苦しい。
私たちが一番認められたい存在とは、
親でもなく世間でもなくって、実は自分自身だからです。
24時間365日ずっと見てくれていてずっと一緒なのは、自分だからです。
その自分から見捨てられているというのは、絶望的な事実です。
だから、「私には十分に勉強する時間がない」という形をとって、「望み通りの成績が取れない」という現実が現れているように映しているのです。
さらに深い観念には、「良い成績をとったら、嫌われてしまう」と過去の似たような経験を歪めた思い込みや、「女の私は社会で成功できない」という集合的な価値観があるのかもしれません。
その結果、「良い成績が取れない」現実を強化させるような行動を無意識に取ってしまうのです。
では、自分でも気づいていない、願望を妨げる観念を掘り起こすにはどうすればいいのでしょうか。
先の私のように、信頼できる人にメッセージする(語る)ことで明らかにすることもできます。それ以外には、一人で書いて行うこともできます。
それを私は、『バシャールとの対話』と呼んで、交換日記しています。
バシャールは、地球の時間で3000年後の惑星エササニの多次元的存在。私は、バシャールという名前がわかりやすいのでそうしていますが、宇宙人というのがピンとこない人は、未来の願いが叶った状態の自分や、ハイヤーセルフだったり、心から慕っていたり、なりたいと思っている人をイメージしても良いと思います。
参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
まず具体的な質問や、答えが欲しいこと、心のうちを吐露する感じで語りかけるように書きます。
その後、より高次で自由の多い意識状態にあって、今の私たちには見えないものが見えて、私たちの幸せと心から願ってくれている人。
そんな人だったら、どう答えるだろう?と、なりきって質問の答えを書きます。
なんにも書けないときも、焦りません。答えがおのずと現れるまで、待ちます。
質問を文字にして書くことで、ぼんやりした悩みやモヤモヤ感、つまり願望を阻む観念の種が、潜在意識(自覚できない意識の領域)から顕在意識(自覚できる意識の領域)へ引き下ろされます。
ブッダにしかり、エックハルト・トールなどのスピリチュアルマスターにしかり、カール・ロジャーズなどの心理学者にしかり、変容は、私たちが気づくことで始まると、語ります。
つまり気づいて、それを認めた時点で、もう癒しのステップは始まっているんです。
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「どうしたらいいの?」「どうしたらいいの?」と考え続けていると、ある日何気なく読んだブログや本にその答えが書いてあるかもしれません。ふと耳にした音楽のフレーズや目にした広告のスローガンかもしれません。
ピンときた言葉を書き留めて、その流れで指と心が動くのに任せて綴ってみましょう。
読んでスッと心に入ったり、胸が開く感じがしたら、それがあなたへの答えです。