夢を叶える人の共通点として、生まれ持った高いスペックがあるというよりも、目標をコツコツこなす才能があります。今の自分の状態とは関係なく、ゴールを達成した未来のなりたい自分と繋がり続けることができるのです。そのカギは、現実がパラレルワールド(並行世界)だと深く理解すること。そして未来から現実が流れていると未来記憶を持って余計な心配をせず、毎日少しずつでも成長するということです。
目次
夢を叶える人の共通点。なりたい未来の自分とつながる方法を具体的に説明します。
世界は多次元でできている
理論物理学者のリサ・ランドールさんによれば、世界は多次元でできているそうです。
具体的にいうと、以下です。
2次元:このブログ画面という平面の世界
3次元:画面が映るパソコン本体やキーボードを叩く手などの奥行きがある立体世界
4次元:3次元のタテヨコ高さに時間が合わさって表された世界
5次元:そこに次元方向への距離を加えた世界
―『NHK未来への提言 リサ・ランドール 異次元は存在する』より
えっ? 次元方向への距離を加えた世界って、どういうこと?!ですよね。
それを映像化したのが、SF映画の『インターステラー』。主人公が、時空を超えた5次元の世界に入り込むんですね。
言葉でいえば過去も未来も現在も同時存在していて、意識のチャンネルを合わせれば、時間も空間も超えられるような次元です。まるでラジオのチャンネルを合わせるように。
作品ではそこでチューニングできる唯一のカギが愛の意識でした。具体的には親子の愛、そして人類愛だと描かれていました。
参考:未来の自分とつながるとはどういうこと? 今、なりたい私になるために必要なことは。
スピリチュアル世界でも、次元上昇とかパラレルワールド(並行世界)という言葉がよく言われます。
たとえば『プリズム・オブ・リラ―銀河系宇宙種族の起源を求めて』では、現実には7次元の密度があるとされます。具体的には以下です。
3次元:立体的な意識。自我。集団意識の喪失。個別意識の形成。現在の意識を保ちつつ、過去や未来について思考することができる能力。「分離感」という幻想が生まれるレベルで現在の人類が存在するレベル。
これを超越するには覚醒が必要。「大いなるすべて」からの乖離が最も顕著で、統合への学びを経て、内的成長が得られる。
4次元:立体的な意識。超意識。自我の保持と集団意識の両立。周波数が上昇すると、過去、現在、未来に対する認識が流動的に。異次元に存在する現実と交流する能力も増す。否定的な意識を保つのが難しくなるレベル。
自分が現実を創造していることに気づき、集合意識として意識を共有することが多くなる。
行動の結果に対する責任が求められ、一人一人がここで自由意志を持っていることを思い出す。共時性(シンクロニシティ)が多い。
5次元:集団意識としての自己の認識。直線的な時間からの解放。叡智に目覚めた意識は、それを分かち合うことを望み、多くが指導霊(※)になることを選択する。
叡智のレベル。五次元の意識は、意識の家族(「オーバーソウル」または「ハイヤーセルフ」と呼ばれる)と融合する。
(※)スピリットガイド。生を受けた人の霊的目的を達成するための手助けをする存在。複数の霊が指導に当たることもあり、人生の場面ごとに必要な能力に応じて交代もする。
6次元:次元そのものとしての意識。
キリストやブッダの意識。「キリスト意識」や「仏の本質」とも呼ばれる。完全な記憶がよみがえるレベルで、自己のためではなく「全体」のために責任を果たすようになる。自己と「全体」の成長過程が完全に一体となるレベル。
7次元:多次元的な経験の認識。ヴォルテックス意識(Group-matrix/集合エネルギー発生源)、ワンネス意識(Social Memory Complex/社会的記憶複合体)。完全なる一体性と統合の次元。聖なる創造のエネルギー。
参考:感情の22段階と現実の7次元について。忘却のゲームから抜けて、統合に向かうためには
つまり体験できる現実とは、ラジオのチャンネルのように、自分の意識をどこにチューニングするかによって変わるということです。これがパラレルワールド(並行世界)です。
そんなふうにいわれると、SFやスピリチュアルという非現実的な世界の話という感じもします。
けれども実際にも自分の解釈が変われば、ガラッと現実が変わったりもしませんか。
それは、過ぎ去ってしまった過去でさえもそうです。
例として次元が低いとお叱りを受けるかもしれませんが…。
たとえば、長年引きずっていた元恋人のことをすっかり気にならなくなったときなども、生まれ変わったような気持ちになりませんか?
「なんで、あんなに好きだったんだろう…(いったい誰が)?」といったように…。
愛されないと、恨みつらみを感じた日々も、「あの経験があったから、今、目の前にいるこの人の気持ちが痛いほどわかる」となれば、すべてが無駄ではない、必要な出来事だったこともわかるのです。
時間の流れ方は、未来から過去へ
そこで哲学や宗教学でも、時間の流れとは、過去、現在、未来と、直線上の決まった流れではないという考えがあります。
たとえば苫米地博士は、仏教のアビダルマ哲学の「因果(原因と結果)による確定性を否定した」宇宙観・時間観より、「時間は未来から過去へ流れる」と言います。
アビダルマとは、仏陀の教えを没後300〜900年ごろに学僧たちが研究、解明、組織づけたもののことです(『仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ> 』より)。
これは永平寺を建立した道元禅師の、悟りは状態ではなく、一瞬一瞬に生成されるものだという考えにも通じています。
スピリチュアルマスターのエクハルト・トールも、目覚めとはほとんどの人にとって出来事ではなく、体験していく過程であると言っています。
これらをまとめると、現実とは定まった(固定された)ものではなく、自分の意識(波動)に応じて情報やアイディアにアクセスするということ。それによって体験(次元)が定まるということです。
過去記憶、現在記憶、未来記憶とは?
では、自分の意識をどう定めれば、未来のなりたい自分とつながった情報やアイディアにアクセスできるというのでしょうか?
池田貴将さんは『未来記憶』で、そのカギは私たちの3つの記憶を知ることだと言います。
そして、それら記憶のことを、過去記憶、現在記憶、未来記憶と呼びました。
具体的には以下です。
過去記憶:「あのとき『○○』と言われた」「✖️✖️なことがあった」という過去についての記憶(思い)
現在記憶:「今ほかに○○もやらなきゃ」「これが終わったら…○時までにあれをしなきゃ」という現在についての記憶(思い)
未来記憶:「○○になりたい」「これを続けていると□□になってしまうなぁ…」という未来についての記憶(思い)
―『未来記憶』より
私たちは何か行動を起こすときには、このいずれかの記憶から影響を受けているのだとか。
つまり、望む未来を創造したければ、なりたい未来(すでに叶えたい夢や目標を達成している次元にいる自分)からの記憶とつながって今を決める時間を増やすことが大切なのだそうです。
未来記憶と繋がる方法とは?
故スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業生に向けたスピーチで、彼は毎日
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
(「今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとすることは本当にしたいことだろうか?」)
と自分に問いかけると言いました。
つまり未来記憶とつながって夢を叶えてきた人たちは、人生の終わりを見つめ、今を生きています。叶えた場面から、今を見るとも言い換えられます。
新聞に訃報欄がありますよね。あそこに自分のことをどう書いてもらいたいかなとか、お葬式の弔辞で大切な人たちにどう自分のことを語ってもらいたいかなと考えるイメージです。
具体的には、人生の終わりを大きなゴールとして先に描き、その地点から振り返るようにして今の自分を見るということ。その後、今から10年先、5年先、3年先、1年先はどうなっていて、そのために今できること、やるべきことを未来から見るようにして定めていきます。
どうせ未来がそうなるんだとわかっていたら、あれこれ考えずにその夢を叶えるためにするべきことを淡々とこなしていけるのでしょう。
たとえば素敵な人とゴールインしたいのなら、今はまずそれがどういう人なのかを考えることかもしれません。そしてそんな人と毎日生活するなら、今の自分だったらどう振る舞うのか、なにを身につける必要があるのかを感じ取って、それを行動に移すことかもしれません。
とはいえ最初から大きなことをやろうとするのはNGです。あとにお話ししますが、不安や恐れや無価値観という嫌な気分にトラップされてしまうからです。
今の自分にとってちょっとチャレンジだけど、嫌な気持ちにのまれない程度のハードルを設定します。
未来の姿から逆算して現在の施策を考えるという発想は、バックキャスティングと呼ばれ、SDGsなどの環境対策にも使われています。スピリチュアル世界に限った話でもないんです。
明確な目標を選んだら、次に必要なのは、その目標に向かって一心になることだとヘンリー・フォードはいいます。
さらに具体的には、
未来のゴールではどんな人といたいか、どんな人といたくないか。
どんな場所にいて、そこで何をしたいかをクリアにして、未来の自分からのメッセージを感じとります。
そして「こうだ」と決めたら、あとは魔法みたいなことが起きなくても、それに向かって地味なことを愚直にやり続けます。
ジャーナリングでホンネを書くのもオススメ:自然なあなたが一番美しい。ドス黒い感情やダメな視点にも価値がある! 不安、怒りを「書いて」陽転させる方法
「人を裏切らないために自分を裏切るとしたら、それも裏切りであることをいつも覚えていなさい。それは最高の裏切りだから」
そんな言葉をなにかで触れたことがあります。ニール・ドナルド・ウォルシュの『神とひとつになること』だったかもしれません。うろ覚えで申し訳ありません。
自分を裏切らず、自分との約束を果たせば、自己信頼感も増して、未来記憶とのパイプも太くなります。このことを波動を強くするという言葉で言われたりもします。
感情がアクセスできる次元を決める
未来記憶につながってゴールを意識しながら今を生きることと同じぐらい大切なのが、いい気分でいることです。これは、エイブラハムなどの引き寄せの法則(『引き寄せの法則の本質 自由と幸福を求めるエイブラハムの源流』)などでも語られることです。
未来記憶から逆算して今を生きているなら、本来、無価値観を抱くことはありません。
「それは必ず現実になる」と思えば、いっときの不安を感じるとしても、それにのまれることはありません。あとは無心になって、目の前のステップを踏むだけです。
引き寄せの法則では、具体的に、以下の感情の22段階というものがあります。
エイブラハムの感情の22段階
1.喜び/智/溢れる活力/自由/愛/感謝
2.情熱
3.興奮/没頭/幸福感
4.ポジティブな期待/信念
5.楽観
6.希望
7.満足
8.退屈
9.悲観
10.フラストレーション/イライラ/我慢
11.圧迫感
12.落胆
13.疑念
14.心配
15.自責
16.挫折感
17.怒り
18.復讐心
19.憎しみ/激怒
20.嫉妬
21.不安(身の危険)/罪の意識/無価値
この上位7位ぐらいまでの気持ちを抱く時間を増やすということです。
参考:願う現実が引き寄せられないなら。微細な望みをキャッチし、叶える簡単なコツ
また、最近読んでとてもよかったのが、ジャーナリストのケイト・マーフィさんが書いた『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』です。Amazonでもベストセラーになっています。
本書では、いかに人の話を聞くことが自分にとって有益かが語られています。
そこで、FBIで海外での誘拐などの難しい人質交渉の主任をしていた人(ゲイリー・ネスナー)の印象的な言葉があります。
「大切なのは、人生で自分の身に起きることよりも、それをどう感じるかです」。
彼は人質交渉で大切なのは、犯人の話に共感することだと言います。
そして人の話を同心円にたとえます。
起きた事実が内側の円で、それを、感情や感覚が外側の円として囲むといったイメージです。
つまりここでも、現実という体験を決めるのは、今抱いている気分だということが語られています。
まとめ
私たちは物理次元を超えて、未来のなりたい自分とつながって現実を創造することができます。
そこで必要なのは、ゴールに到達した意識で今を過ごすということです。必ずそこに達成すると知っていれば、今やることも見えてくるし、それが果てしなく小さな一歩に見えても不安にトラップされることがありません。
私たちが目に見える形で動かせるのは、今という時間しかありません。
けれども今を動かすことで、未来も過去も変えることができます。
過去が変えられるのは現在の解釈が変わるからであり、未来が変えられるのは現在の行動が変わるからです。
最後にある文学賞の受賞者の言葉として読んだものを、自戒も込めて、シェアします。
「才能はほとんど関係ありません。優れた作品が書けるかどうかは、書き続けられるかどうかで決まります。結局、書き続ける人が一番強いのです。いくら才能がある人でも、なんだかんだと言い訳をして書くのを後回しにしている人には良い作品は書けません」。
一歩でも半歩でも、リラックスしながら未来に向かえば、私たちは必ず夢を叶えることができます。
それが宇宙の摂理なのです。
参考:もう1人で悩まなくてOK! オラクルカードで自分を超える答えを導き出す方法。