「ダメ」「できない」とあきらめず、未来の自分、なりたい私につながるためには、その状態の自分で在ることが必要だと言われます。『インターステラー』というSF映画を観たんですが、そこで主人公は、時間や空間を超えた5次元の世界に入り込みます。時空を超えた世界で、唯一自力で制御できるものが、愛の意識でした。未来の自分とつながるとはどういうことか、そのために必要なことは何か。『インターステラー』の世界から改めて感じたことを綴ります。
絶望的な現在を変えようと主人公が
五次元で奮闘する『インターステラー』。
父にオススメされて、『インターステラー』というSF映画を観ました。
ものすごい砂嵐が日常茶飯事に発生するようになった、近未来の地球のお話です。
気候変動で作物が育たず、砂ぼこりまじりの空気は酸素濃度もどんどん薄くなっている。そこで、孫の世代までは生き残れないだろうと人類は絶滅危機になっています。そして、人間が住める宇宙の他の星を探すプロジェクトに参加する男性が主人公です。
そんな話は、SFの世界だろうと興味がない人も必見です。というのも、私はビッグ・マウンテンと呼ばれるアメリカ先住民ナバホ族の集落を訪ねたとき、異常気象が日常になる世界を目の当たりにしたんです。
参考:ありのままの自分で本当に幸せになれるの? マガジンハウスからホームレス編集者へ。アメリカ先住民ナバホ族の集落で死にかけて学べた私の幸福学。
ビッグマウンテンの日々を経て『インターステラー』を観たら、「それって全然ありうるよなー。場所が違えば近未来でもなく、もはや現実だし…」と思います。
例えば、パワーストーンショップなどにも置かれている、空気の浄化に使われるセージの葉がありますよね。
ビッグ・マウンテンは、野生のセージが群生する場所なのですが、もう何年も雪が無く、雨もほとんど降らないので、葉が乾燥しきって灰色になっているんですね。指でギュっと葉を握るだけで、粉々の灰のようになって風に舞います。乾燥しきってドライフラワーみたいになっているんです。
草が生い茂らないために、ウサギやノネズミもいなくなります。そこで、エサを失ってお腹をすかせたコヨーテが、私たちが目の前にいてもヤギを襲うんです。
砂埃もすごいので、一日外で作業をすると、目が真っ赤に充血します。5日目ぐらいから夜になると、喘息のように空咳が止まらなくなりました。
ナバホ族の男性には、「これから世界は水の奪い合いになる」と言われました。社会的に弱い立場の人ほど、気候変動のエッジに近い暮らしを送ることになるんだ、と突きつけられました。
日本に居ると、今度は逆に多すぎる雨の水害に心が痛みます。負荷がかかりすぎた地球が、ホメオスタシス(外から受ける環境や内部の変化にかかわらず、正常な身体の状態(体温・血糖・免疫)を一定に保つこと)を失いつつあるとリアルに感じます。
未来の自分とつながるために必要なものは?
そんな世紀末のような状況、どうしようもない事態をどう打開するか。映画では、望む未来やなりたい未来の自分とつながる鍵になるのが、意識の力なんです。
ガルガンチュアと呼ばれるブラックホールの中に落ちた主人公は、時間や空間という制約が働かない場所に入り込みます。映画では、それは、私たちが暮らす3次元という物質世界を超えた、5次元の世界だと言われています。
そこでは過去、現在、未来が同時に存在していて、視点(意識)を変えることで、それぞれに即時につながることができます。
この映画では、時間も空間も力を及ぼせない世界でも、その制御できないところで唯一自力で作用を及ぼせるものとして描かれるのが意識なのですが、中でもそれは、「愛」という感情をまとった意識なんです。
参考:感情の22段階と現実の7次元について。忘却のゲームから抜けて、統合に向かうためには
愛とはいっても、自分よりも仲間や家族、さらに人類全体、もっといえば、その未来というレベルまで、自分という枠を広げられるような大きな愛の意識です。
つまり、目の前のこの人が幸せで、さらに言えば、この人の孫子までが笑顔でいられることが、エネルギー体としての、今ここの自分が拡張されていくことになるのだ。それを頭で「そうあらねば」「そうするべき」と思うのではなく、無心でそう感じて行動をとってしまうような意識です。
子どもを救うために火の中に飛び込む親のような感じでしょうか。
物理学には、2つの柱をとる理論があります。重力を扱う相対性理論と微小世界での物質のふるまいを説明する量子力学です。
この映画では、自利と利他が重なり合うような深い心が、相対性理論と量子力学を統合させた万物の理論(Theory of Everything)、つまり、自然界に存在する4つの力である電磁力・弱い力・強い力・重力が完成するための着火点になると、描かれているんですね。
バシャールや引き寄せの法則の原理にも通じていますね。
その意識状態になった主人公は、結果的にまさに未来のなりたい自分で在ったことから、最終的にブラックホールから救われるんです。あと2分で酸素がなくなっていたというギリギリ寸前のところで。
参考:過去の経験が未来を決めるわけではない。願いが叶った、なりたい自分と今つながる方法。
愛の力というのは大きなエネルギーであり、時空の制約も受けず、存在や宇宙の成り立ちを形づくる根源のようなものだと、改めて思うことができた映画でした。
深い話ですがエンタメとしても面白いので、家ごもり中にもオススメです!
『インターステラー』は、Amazon Primeで無料で観られます。