「感謝」の気持ちは、エイブラハムの感情の22段階でも最も高い周波数を持つ感情のひとつ。現実創造に働くパワフルな感情だといわれます。「ありがたいなぁ」と感じるこの心は、睡眠を深め、幸福度を高めるとも言われています。さらに最新の研究では感謝の気持ちから行動し「ありがたいなぁ」と人に感じてもらうと、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分の健康促進に間接的な役割を果たすとか。
目次
現実創造でもっとも効果があるとされる「感謝」の気持ち。
感情には周波数別に以下の22段階あると言うのが、エイブラハムの教えです。そして1の感謝や愛、喜びは、現実創造にもっとも力強く働くと考えられています。
1.喜び/智/溢れる活力/自由/愛/感謝
2.情熱
3.興奮/没頭/幸福感
4.ポジティブな期待/信念
5.楽観
6.希望
7.満足
8.退屈
9.悲観
10.フラストレーション/イライラ/我慢
11.圧迫感
12.落胆
13.疑念
14.心配
15.自責
16.挫折感
17.怒り
18.復讐心
19.憎しみ/激怒
20.嫉妬
21.不安(身の危険)/罪の意識/無価値
22.恐怖/悲嘆/憂鬱/絶望/無能
参考記事:感情の22段階と現実の7次元について。忘却のゲームから抜けて、統合に向かうためには
幸福心理学でも、感謝の手紙を書くと幸福度が高まるという研究結果や、感謝の気持ちを表すとお互いの関係性が深まるという研究結果も。
「ありがたい」と感じた後、人に「与えられる人」は免疫力が高い?
そして新しい感謝と健康の研究では、興味深い結果が出たという記事があります。「ありがたい」と感じた結果、人に「与える人」は免疫力が高いのではというのです。
この研究では、35歳から50歳までの健康な女性61名を、6週間のオンライン上の感謝活動グループと、執筆活動グループのいずれかに無作為に割り当てました。
感謝グループは、週に1回、感謝している人について書くように指示されました(例えば、「あなたの人生で、何か意味のあることや重要なことをしてくれたのに、十分に、あるいは適切に感謝したことがないと感じている人を思い浮かべてください」)。
執筆活動グループは、とくに感謝の気持ちを抱かせない話題について書きました(例えば、「今日歩いた最長距離について考えてみてください」)。
6週間後に参加者は、どれだけ人に助けてもらったり、人を助けたりする傾向があるかを報告し、血液サンプルを提供して、炎症性サイトカインの数値を調べました。
炎症性サイトカインとは、糖尿病、動脈硬化、さらにはがんなどの加齢に伴う慢性疾患に関係していると言われる、免疫細胞から分泌されるタンパク質のことです。
興味深いことにデータ分析すると、感謝活動をおこなうかどうかではサイトカインレベルの低下は見られませんでした。
けれども、感謝条件に割り当てられた女性は、より多くのサポート関係を持つことがわかりました。これは、感謝の気持ちが人に「恩返し」や「助け合い」の気持ちを起こさせるという考えと一致します。
そして研究者たちがさらに分析を深めた結果、感謝の気持ちそのものではなく、その心を行動に移して他者をサポートした場合に、免疫機能があがるようだとみられています。
つまり「ありがたいなぁ」と思って、人にも「ありがたいなぁ」と感じさせる行動をとった人のサイトカインレベルが低かったということ。
「確かなことはわかりませんが、感情よりも行動に結びついているのかもしれません」と、心理学者のナオミ・アイゼンバーガー博士は述べています(Greater Goodより)。とはいえ、間接的な結果分析にすぎず、さらに綿密な研究が必要です。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の社会心理学者アイゼンバーガー博士は、脳をスキャンしながら「愛は苦痛を緩和させる」など独創的な研究を行っています。
情けは人の為ならず。「与える人」こそ成功する時代
ベストセラー本「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」を執筆したアダム・グラント教授。彼は人をその思考と行動から、「ギバー(与える人)」「テイカー(受け取る人)」「マッチャー(バランスを取る人)」と分類しました。
彼がペンシルバニア大学ウォートン校に着任したとき、生徒たちに「成功の階段の一番下で終わるのは、どのタイプだと思いますか」と尋ねたそうです。
その結果は、ほぼ満場一致で、「ギバー(与える人)」でした。
そして最も成功するタイプはどれかと尋ねると、「マッチャー(バランスを取る人)」と「テイカー(受け取る人)」で均等にわかれたそうです。
そこでグラント教授は、こう学生たちに話しました。
君たちは、ギバーは成功できないと思っているかもしれない。確かに、何の見返りも期待せず、ひたすら他人を助けている人たちのなかには、成功の階段の一番下に転げ落ちる人もたくさんいる。しかし同じギバーであっても、ほんのちょっと工夫をすれば、階段の一番上にのぼることができるんだ。
他人の人生に“ちょっといいこと”を起こすことに、注意とエネルギーを集中してみてほしい。そうすれば、成功はおのずとついてくる。僕にとって苦しい戦いになるだろうが、君たちが間違っていることを証明してみせようじゃないか。ーGIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代より
ということで本書を執筆されたそうです。
親切はやらされるのではなく、感謝の気持ちがおのずとあふれるときのように、自発的に行ってこそ、当人の幸せや成功の実を結ぶのだと博士はご存知だからでしょう。
参考:ギフトエコノミーは資本主義経済とも両立できる。服部雄一郎・麻子さんに教わる、豊かなお金の使い方と自然の恵みにならう暮らしのはじめ方
この感謝と健康の研究も、”情けは人の為ならず(人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがてはよい報いとなって自分にもどってくる)”という日本の美しいことわざも、グラント博士のその思いをサポートしているようです。