直感力とは? 体を使った具体的な直感力の磨き方について。

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生きることは、大なり小なり選択の連続です。そこで最適な答えを選びたいですよね。私たちには論理や理性で解を導くほかに、直感という力が備わっています。それは思考の枠を超えたひらめきのこと。宇宙の摂理ともいえる、大いなる知恵を直接ダウンロードした気づきのようなものです。そんな直感力を磨き、軽やかに生きたいものですね。その鍵になるのが、肉体感覚。そこで体を使った、簡単な直感力の鍛え方についてお話ししたいと思います。

直感力を磨くには?体を使った具体的な方法について。

カリスマ経営者の永守重信さんの成しとげる力を読んでいました。そこで改めて感じ入ったことがあります。それは日本を代表する名経営者といわれる彼の直感力の高さ。

永守さんに限りません。名経営者と呼ばれる人たちの自伝などを読むと、共通することがあります。それはやはり、恐ろしいほどの直感力の高さ。自分を信じる力の強さ。

「なぜ周りがほとんど反対するなか、それを選ぶことができたのか?」「理性や論理を超えた、自分の勘に従えたのか?」と、うならされるエピソードが必ずあるんですね。

そしてそれが大きく飛躍する、最初のターニングポイントになります。

直感力とは?

では、直感力ってなんでしょうか?

漢字だと、直接の感覚の力と書きます(ほかに直観力とされる場合もあります)。

では、それに対する間接的な感覚とは、なにがあいだに入った感覚なのでしょうか。

それは思考のフィルターです。

つまり、間接的な感覚とは、思考に選別された物事の捉え方や感じ方のこと。

もっと具体的にお話ししますね。

私たちはたいていの場合、 「こうだとされているから」「よく考えてみると、こっちの方がいいだろう」「あの人もこう言っている」と無意識にものごとを判定しています。

さらにはそれ以前にも、99.9999%以上の情報が意識のフィルターでふるい落とされているともいわれています。

というのもそうでないと、思考するにも情報処理が追いつかず、脳がキャパシティオーバーになるんですね。

つまり私たちは、意識のフィルターを通して、情報を精査します。その結果、ふるい落とされた情報をもとに思考し、行動します。

この作業は多くの場合、脳を守るために無自覚におこなっています。そこで、自分では多くの情報を「省いた」ことに気づいていません。

つまり、私たちは自分が想像する以上に、過去の思考パターンに基づいて行動している。実はそこに広がっていた可能性の道が絶たれているともいえます。

そういうと脳が意地悪をしているようにも見えます。しかし、これもサバイバル機能の一種。

脳を含めた私たちの生命維持機能は、不可知なこと、つまり知らないことや未経験なことを「危険だ」と判断し、避けようとするんですね。無意識に、心や体を守ろうと、ホメオスタシス(生体恒常性)を保とうとしているのです。

それに対して、直感力というのは、思考のフィルターなしに「こうだ」とわかる感覚。判断もスピーディーです。自分の直接の感覚だからです。

直感力が研ぎ澄まされたときには、自分という枠を超えた、知恵のようなものとつながって、答えを直接ダウンロードすることもできます。

特別なことに見えて、これは誰でもやっていることです。

理由はないけど、なんとなく行ったほうがいい。会ったらいい。あるいは会わないほうがいい。その物件に決めたほうがいい。あるいはそこには住まないほうがいい。

そんな感覚がしたことはありませんか。

また、家を出るときに、なんとなく傘が目について持っていったら、雨が降った。

なんとなく目についた人の前に立っていたら、次の駅でその人が降りて、座ることができた、なんてことも。

それらは直感力が働いています。

直感力が高い名経営者たち

話をもとに戻すと、名経営者と呼ばれる人たちは、直感力がとても高いですよね。電車で誰の前に立つかというのも一つの選択ですが、何千人の社員の人生を背負いながら、一つひとつの決断を下すというのも選択。

思うに影響力があるとされる人は、物理的にやることも多いかもしれませんが、むしろ労働作業以上に、決めなければいけないことが多いのだと思います。そしてその結果、影響を及ぼす人の数が多い。

たとえば日本電産のカリスマ創業者の永守重信さんもそんなおひとり。

日本電産は、もともと京都の零細企業でした。躍進のきっかけは、パソコン用ハード・ディスク・ドライブ(HDD)への集中投資の決定です。

それは、1978年ごろのこと。アップルが初めて発売されたのが1977年なので、パソコン市場が海のものとも山のものともわからないときに決断されたんですね。

まわりの人がほとんど誰も賛成しないなか、「これだ!」と決めて突き進んだことが、大きく飛躍を遂げたきっかけです。

とはいえ会社というのは、たとえ超人的に直感力や行動力に優れた人がいたとしても、社長ひとりでは機能しません。大きな企業になるほど、多くの人の力が活かされることで、成功のエネルギーが働きます。

そこで永守氏が選ぶ社員の3原則は、”声が大きい”,”出社が早い”,”食事が早い”とか。学歴はあてにならないといいます。

その3つの状態は、たしかに仕事に夢中になっているサインでもあります。相手に伝えようとすると声は大きくなるし、こだわりだすと時間がいくらあっても足りなくなり、寝食惜しんで熱中してしまうからです。

つまり、直感力が高い人は、相手や状況をつぶさに観察し、数値化されたスペックだけでなく、自分が感じとったものを信じて、公式化して世界を捉えています。

となると直感力の高さとは、自分の感覚を信じる力の強さと比例しています。

そうではなく自分の感覚が信じられなくなる、鈍ってくる要因に、失敗体験が挙げられます。けれども、直感力が高いとされる経営者たちの自伝を読むと、たくさん試練があって、信じられないような失敗も数多くしているのだなぁということにも気づかされます。

つまり、失敗自体は、直感力とのパイプを閉ざす原因ではないということ。

そこで失敗した事態(現状)を反省こそしても、自分の人間性は責めないことが大切なのだと思います。失敗したからとやめない。さらに感覚の精度を磨いていかれるんですね。

もちろん彼らも人間ですから自伝などを読む限り、しばらくは失敗の呪いのようなものを抱き、落ち込まれています。

とはいえ、

「あのときにあぁ決断した自分はなんてバカなんだ」

「そんなダメな自分のことだから、次もまた台無しにしてしまうに違いない」

といったように、未来永劫それが続くのだと、自分に呪いはかけないのです。

また挑戦するんですね。

失敗した自分にこてんぱんになるまでダメ出して、自己肯定感が下がると、直感が信じられなくなります。自分のことを疑うと、その感覚も信じられなくなるからです。

すると直接のパイプが断絶されたり、詰まったりするので、ますます答えや気づきがやってきません。挑戦や前進もできなくなります。

だから、尋常ではないほど直感力が高い人がそばにいたら、ちょっと変な人だなぁと思うかもしれません。

彼らは成功こそすれば「素晴らしい」と褒め称えられますが、近くで見ていると「変わった人だな」と感じる存在かもしれません。

では、「素晴らしい」や「おかしい」「ダメだ」という気持ちを抱かせる、失敗や成功について考えてみましょう。

そもそもにおいて、失敗すること自体は問題ありません。

もちろん思考レベルで考えると、失敗のないまっさらな成功人生がよいと思います。

でも私たちは、行動から学ぶという意志を持って物理世界に在ります。つまり私たちの本質のような、より深い部分から捉えれば、失敗も成功も貴重な経験。

また何かをやっていることの方が良しとされる表面的なものの捉え方では、「やりたいことをする」という動の行動のほうが賞賛され、注目されがちになります。

しかし「やりたくないことはしない」という静の行動も大変パワフルなものです。休んだり、立ち止まったりすることも、大いなる行動であり決断です。

合気道のように、静の力も動の力として活かすことができるのです。

だから、罪を憎んで人を憎まずじゃないですが、失敗に至った結果を冷静に評価して反省こそしても、それを導いた自分の人間性すべてを憎まないこと。

停滞や後退を単なるマイナスと捉えないこと。

影があれば光があり、陰があれば陽があります。

そして禅僧の道元がいうように、私たちは毎瞬、死んで生まれて、死んで生まれて、を繰り返しています。

一瞬たりとも同じ私は存在しません。作用し合い、変化し続けています。

さらには私たちは、同じ自分という変わらない実体が、過去・現在・未来と直線上に続いているように感じますが、そうではないんですね。

私たちはすべて多次元を生きています。どこに意識のチャンネルを合わせるかで、捉え方のフィルターが変わり、体験もまったく違ったものになります。

これは今生きている現実もそうですし、変えられない過去も、どんな視点で解釈するか(どの次元で捉えるか)によって、終わってしまったように見える体験はいつでも変えることができます。そして、この先につながっているように見える未来もそうです。

これは量子力学をベースにしたSF映画インターステラーでも描かれていることです。

「過去に存在したものも、今存在しているものも、これから存在するものも、時空のどこかにある」と、豪シドニー大学時間研究所のクリスティー・ミラー博士も発言しています。

といったように量子物理学の世界では、すべての時間が同時に存在する可能性があります。直線上として、前や後ろがあるわけではないのです。

すなわち、アインシュタイン方程式によって直接導き出されるモデルでは、現在と過去、未来が等価の現実です。

よりスピリチュアルにいえば、私たちはいろんな次元の自分を毎瞬間行き来しているということです。だから、失敗した自分(の意識状態)も、成功した自分も、そのどちらも観ている自分もすべて同時に存在しているんですね。

参考:現実創造では、過去・現在・未来は同時に存在する。理想の未来の自分を設定するための質問とは?

そのように捉えて、失敗した自分に囚われなければ、直感力が磨かれていくのだと思います。

しかし、「じゃあ、そうしよう♡」と思考レベルでやろうとしても難しいものです。わかっているけど、自分の考え方(とくに感じ方)を変えられないという現実にぶち当たります。

ではどうやったら直感力が磨かれるというのでしょうか。

思考レベルで「そうしよう」と決意してもなかなかそうできないというのが大前提とするとしたら…、どうすれば?

そこで助けになるのが、体。肉体感覚です。

今ここの自分を信頼するには、今感じているものに気づくことがスタートラインです。

たとえば、自分の鼓動を感じてみる。

体が発するサインが聴こえるまで、丁寧に待ちます。

ドクドクドク….。脈が打っている感じだったり、心音のようなものが聴こえたり。

ここで大切なのは、「感じているというのはこういう感じだ」と思考の正解に、体験している感覚を合わせようとしないこと。

たとえば今感じられないものも正解です。それにただ耳をすませます。受け入れます。

このように「直感力がない」と思っていても、私たちは常になにかを入力し、反応しつづけています。

これは、「こういう体験が正解で、こういう体験は間違っている」そういった思考のフィルターを外す練習です。

◯も✖️もつけず、今、体が発しているもの、心が感じとっていることを丸ごと信頼します。そのようにして自分の内側が語りかけてくるものに敏感になります。気づきます。

それを頭で判断せずに受け入れつづけます。

するとやがて、今自分が感じとっている体験や世界のことを信頼できるようになってきます。直感力とのパイプがつながっていきます。思い込みのつまりのようなものが掃除されていきます。

それを繰り返していくうちに、クリーンな太いパイプができていきます。それは大いなる知恵と直結もしていて、直感力が磨かれていきます。

参考(直感と自然に呼応して生きる私の友だちの話):好きを仕事にできる人の人生を動かす”祈りの力”。ビザもお金もなく渡米した薄衣希代子さんをマクロビオティックゆかりの梅農園主に導いた物語。