ハイヤーセルフとは、現実を広く深く捉えることができ、無条件の愛にあふれる高次元の自分の意識状態のこと。そんなハイヤーセルフとつながる師が説く『マスターの教え』。本書より夢を大切に温めて叶えるための秘訣についてお話しします。
目次
ハイヤーセルフとつながって、あなたの夢や願いを叶える秘訣とは?
ハイヤーセルフとは高次の私たち。
ハイヤーセルフ(Higher Self)とは、より高い次元の意識状態にある自分のこと。より具体的にいうと、愛や感謝、喜び、自由などを感じている状態のことです。
ラジオのようにチューニングが合って、そういった意識のチャンネルにつながった自分です。神さまなど別人をいうのではないんですね。そこで、うちなる神さまといってもいいかもしれません。
ハイヤーセルフは、木よりも森を見るような知恵を持ちます。そして愛と感謝の心で現実を捉えられます。
たとえるなら、大迷路を上空からゆったりと見下ろす感じです。ハイヤーセルフにつながっていない私たちは人生のあれこれに右往左往しています。ところがいつでもハイヤーセルフの自分は一緒にいて、「その体験もまたよし」「別の体験をしてもまたよし」とどっしり構えています。見守ってくれているんですね。
心は温かいお風呂に浸かっているようにポカポカ心地よくてリラックス。愛らしい動物や赤ちゃんを眺めるようにただただ愛しいと私たちのことやその人生を見守っています。
参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
ハイヤーセルフとつながるとうまくいく。
そこでハイヤーセルフの私たちは、問題を解決する方法も、なぜそれが起きているのかもわかっています。それを続けることもできるし、やめることもできるんです。
そしてハイヤーセルフとつながっていると、自分の魂がこれを体験するとあらかじめ決定していたことをスイスイと実行することもできます。
夢や成功も叶いますし、豊かな関係性のほか十分な富も得られます。心も体も満たされた状態なので、『クリスマス・キャロル』のスクルージのようではありません。
とってもうらやましいですよね!
宇宙の法則が書かれた『マスターの教え』とは?
そこで今日読んだのは、『マスターの教え』。ハイヤーセルフ、あるいは宇宙の法則と調和した人物が主人公に説くお話です。
タイトルにはマスター(師)とありますが、彼自身としては
自分は風のようなもの、どこからともなく現れ、どこかへ消えていくものなのだ。私の名前だったら、ただ単に、『友だち』と呼んでください
『マスターの教え』―より
と言います。
『マスターの教え』は、『ザ・シークレット』『聖なる予言』やシャーリー・マクレーンの『アウトオンアリム』など数々のスピリチュアル名作本を翻訳された山川紘矢・亜希子さん夫婦が訳された本。
これは、ずいぶん前の話です。
私が会社員(アンアン編集者)だったときにラブコールを送り、おふたりに取材・撮影させていただいたことがあります。
ご自宅でのことで、木造りのご自宅にはエンジェルグッズがいっぱい。亜希子さんの自動書記(チャネリング)ノートも見せていただきましたよ♡
余談ですが、そのとき「あなた絶対エサレンにいった方がいい」と言われたんです。
そして、英語で年間ワークショップについて書かれたカタログを見せていただきました。けれども、当時は取材のあいまの短時間に読んで理解できるほどの英語力はなく。「いいですねー」と言いながら、実は、ちんぷんかんぷん…(笑)。
「まぁ、そんな長期で会社休めないしな」と、気になりつつもスルーしていたんですね(失礼な話で!)。
目の前の情報とチャンネルがあっていなかったというわかりやすい例です。
誰と何を話していても、どんなメッセージや気づきを受け取るのか。自分の意識に合った情報にアクセスできるようになっているんだと思います。それが小さな赤ちゃんでもこちらを傷つけるような人でもずっと先をいっているような人でも誰でも関係ありません。
必要なメッセージを届けてくれるようになっているんですね。大切なのは、目の前の人や物事よりも、自分がどのチャンネルに合っているかです。
それから8年ほど経って…。エサレン研究所に住み込んでエネルギーワークを学んでいたというのだから、面白い話です。山川さんは何かを感じとっていたのかな。
はっとそれに気づいたとき、苦笑いしてしまいました。8年経ちましたねぇ(笑)。
参考:辛いのは無意識の選択のせい?自分を超えた大意識との繋がり方
夢を温めて叶える方法は?
さて、私たちがハイヤーセルフとつながりたいと思うのは、答えが欲しいときです。
たとえば問題を抱えて困っていたり、悩んでいたり、停滞していたり。夢や願望を叶える方法がわからずどうしたらいいかと悩むときです。
そこで『マスターの教え』のハイヤーセルフとつながった“友だち”(以降わかりやすく「マスター」とします)はこう言います。
必要な答えは、私たちがラジオのようにチャンネルを合わせればいいだけ。それで得られると。
誰に会っても、そこで何を見たり聞いたり体験したとしても、外側で起きていることはさほど重要ではないということです。自分の内側の心を整えます。
自分の内側の反映として、外側のことが起きているから。
そして、どんな人やどんな出来事も必要な情報を与えてくれる存在なのだとか。
参考:嫌いな自分を赦せば、愛が叶う。投影を外し、人間関係のモヤモヤを一掃する心理学。
心を整えるとは具体的には?
では心を整えて、ハイヤーセルフにチャンネルを合わせるとは一体どうすればいいのでしょう?
心を整えるというと、自己鍛錬とか、修行的な厳しいイメージを抱かれるかもしれません。私もずいぶん長いあいだそう思っていました。
それでまず心理学の勉強を2年アメリカでやって、その後1年間研究所のお手伝い。そして1年半禅センターやスピリチュアルセンターを渡り歩いたわけです。歯を食いしばりながら。
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長いあいだ、私はなにかを達成したり、幸せになるには、歯を食いしばって頑張らないといけないと感じていました。
それはアメリカに行ってからに限ったことではなく、日本で会社員をしていたときもそうでした。自分はとくにこれといった特技もない。頭がいいわけでもない。すごい知り合いやコネがあるわけでもない。ものすごい企画がひらめくというタイプでもない。
なのに出版社に入ってしまったわけだから、ビリ欠を全速力で走らないとだめだと。
私は大学生のときにソフィア・コッポラさんという映画監督に取材したいという夢がありました。
それが10年以上経って叶ったとき、あまり嬉しくなかったんです。
15分間の制限時間で英語の通訳が入ります。質問をして膨らませそうでも次の質問にいかなければなりません。結局、薄いコーヒーをさらに水で薄めたような話ぐらいしか聞けなくて。これでは記事にならないと、今まで買いためていた映画DVDや本、雑誌の内容を組み合わせてページをつくることになりました。
もちろん悪いことばかりではありません。それで「英語がわかるといいな」と強く思うようになったんです。今でもそんなに上手ではありませんが、それでほかにもいろんなことが重なって勢いづけて会社を辞めてアメリカに行くことができました。
だから、そのときはうまくいかなくてもなんでも、大きな流れでみれば、すべてはそれでいいのだと思います。
とはいえ、取材のときの自分はガチガチであまり楽しめていなかったことも影響していたと思います。ソフィア・コッポラさんのエネルギー次元と合っていなかったんでしょう。
頭の中に関連情報をつめこんで臨んでいたけど、心は整っていなかったように感じます。だから本質的には、制限時間やそのほかの外側の状況とは関係ないのです。
多分10分だったとしても、たった一つの質問しか聞けなかったとしても、深い部分で意識が共鳴すれば、大きな情報をダウンロードできたのだと思います。
たとえば言葉はなくても目線とか息づかいとか、声のトーンとか。非言語が伝えるものもあります。それをキャッチして、心を通いあわせばよかったんですね。
憧れの人を目にして「あなたとお会いできるのが私の夢だったんです!」とインタビューの最後にいうのが精一杯で。当時の私には余裕がなくて、自分の心を整えて、彼女が語りやすい空間をつくることができなかったけれど。
そこで心を整えるというのは、まずはホッとできたり安らぐこと。そういうふうに思う物の捉え方や解釈、またはそう感じることに行動や選択をシフトしていくことです。
一生懸命と夢中の違い。
一生懸命という言葉がありますが、そういうとなんとなく必死に頑張る苦しいイメージがつきまといます。
熱心にやることはよいことです。でもハイヤーセルフとつながっている状態では、それが不安を解消するためにとか、今の状態から抜け出すためにと負の心でムチ打つのではありません。
どちらかというと、周りの人には内容や作業的に大変そうに見えても、当人の内側では命のエネルギーがみなぎっている感じです。
真剣にやっているとか、わきめもふらずにそこに集中しているという言葉が近いかもしれません。夢中です。
だから、私自身、なるべく頭でっかちにならないように、気をつけたいと思っているところです。
夢に向かい続けるために必要なことは?
そしてマスターは、高い目標を達成するには「勢いを得て、それを続けなければいけません」と言います。やったことがないこと、新しいやり方に挑むときはなおさらそうです。
勢いというのはどういうことでしょうか? そこで思い浮かぶのが、子どもの頃に遊んだ回転遊具です。あれは、始めのほうは勢いづくまで重たくて苦労しますよね。
でもその時期を過ぎると、もう力をかけなくてもラクに自動的にぐるんぐるん回ってくれます。楽しくなってきます。
そこでマスターはこういうんです。
「あなたの深い部分にある野心はあまり人に話さないようにしてください」と。
心がくじかれて、回転遊具を回す手が止まってしまわないように。
秘密にしておいてください。それでいいんです。
もしも話したいときは、「この人だ」という人だけに明かしてください。
それまでは外側は何も変わらなくても、はためにはあなたが何も変わっていなくても、外側には同じことをやっていても構いません。内側の卵をじっと温め続けてください。
なるべく良い気分になる物の捉え方をして、心地よいものを選びましょう。
ハイヤーセルフにチャンネルを合わせて、目の前のことから必要なメッセージを受け取ってください。
大丈夫。心地よくていいのです。大切なのは、外側ではなく内側の状態です。
夢や幸運が降りかかってくることをいまかいまかと期待して、「まだじゃないか」とガッカリするよりも目標に向かうプロセスを大切にしましょう。
あなたはもうすでにそれを持っているのだから。
ただ必要なのは、プロセスを味わいながら、そこにチューニングするだけです。