手放せば入ってくる宇宙の法則。なぜ余計なものを無くせば求めるものが手に入る?

surrender

断捨離や、引き寄せの法則のキーワードでもある”手放し”。余計なものを無くせば本当に求めるものが手に入ると言われます。でも一体なぜ? そして余計なものって具体的に何で、“手放し”とは具体的にどうすること?宇宙の法則からお話しします。

手放せば入ってくる宇宙の法則。なぜ余計なものを無くせば求めるものが手に入る?

断捨離で使っていないものを処分したり、苦しい人間関係から自由になると、空間や心の広がりを感じられます。また、引き寄せの法則でも“手放し”という言葉がよく用いられ、とくに“願望を叶ってほしい(でも叶っていない)”という執着心を捨てて、エネルギーを軽くすることが大切だといわれます。

手放しの状態とは?

では、“手放し”とは一体どのような状態なのでしょうか?

英語では、letting goとか、surrender(サレンダー)という言葉で言われたりします。

サレンダーという言葉は、日本が太平洋戦争に敗戦してサインした降伏文書(Instrument of Surrender)にも使われていますが、”降伏“という意味があります。

さらにマザー・テレサもこの言葉を使われていましたが、スピリチュアルにかみ砕くと、「神様のお計らいにお任せします」という委ねの境地のことです。

神様という言葉がピンとこなければ、自分が設定した限界(思考の枠)を超えるものにお任せすることです。

価値判断を完全に手放すこととも言い換えられます。

つまり、女性・男性、日本人・その他の国籍を持つ人、親・子、家族がいる・いない、仕事がある・ない、などの属性を超えた、純粋なスピリットで在るということ。

スピリット(魂)の直接体験です。

より具体的にいえば、良い悪いと判断せずに、ありのまま感じとることです。

手放しに必要なこと:コントロールを手放す。

そこで必要なのは、「世界を自分でコントロールしたい(できる)という欲求・執着」を手放すということです。

ありのまま感じとるには、これまで「良い・悪い」「好き・嫌い」「正しい・間違っている」と即座に下していた判断を一旦保留にする必要があるためです。

つまり、“手放し”とは、古い思考パターンを手放し、感じているけれど頭ではわからない何かが育っていくプロセスに任せること。

つまりは、なぜ物事がそうなったのか、これからどうなるのかということを知る欲求を捨てること。「(頭で)わかろう」とする心を手放すこと。ここで“説明します”と言いながら、こう書くと逆説的にも聞こえると思いますが。でも、理性では説明できない“なにか”に心を開く必要があるんですね。

それは、理性的な思考を超えた、より高次の秩序や力を信じること。それこそが宇宙の法則に向かう“手放し”であり、“委ね”です。

参考:プルシャとプラクリティ

手放しに必要なこと① 得体の知れないものにくつろぐ。

つまり、未知の領域に足を踏み入れるわけですが、そこで試されるのが答えの出ない事態に耐える力。得体の知れないものにくつろげる心です。

臨床40年の精神家で小説家の帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さんは、それをネガティブ・ケイパビリティ(Negative Capability) だと著書ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 でお話しされています。

これは研修医時代の帚木さんのお話です。帚木さんは、うまく治ったと思った患者さんがまた再入院したり、しかも前より重症になっている様子を目にして無力感を抱き、自信をなくしかけたそうです。

そんなときに、ある医学論文を読んで稲妻に打たれます。そこに書かれていたのはネガティブ・ケイパビリティという力。

彼はこの能力を知ることで、精神科医としての職業生活も、作家としての創作行為も随分とラクになったそうです。

ネガティブ・ケイパビリティって?

ネガティブ・ケイパビリティとは解決出来ない宙ぶらりんの状態を耐えられる「負の力」のこと。答えの出ない事態に寛げる力こそが、相手と向き合う粘り強さにも、詩人たちが創造を生み出す力にもなるのだと言います。

参考:AIで顔や声を合成する技術「ディープフェイク」をドキュメンタリーに。 映画『チェチェンへようこそ-ゲイの粛清-』に見る、 デジタル技術やアバター(分身)で社会を変える方法。

なぜ手放すと、求めるものが手に入る?

では、なぜコントロールしたい心(欲求・執着)を手放すと、求めるものが手に入るのでしょうか?

この記事は動画で観ることもできます。

ここではスピリチュアルや波動の話から少し離れて、私たちの脳の構造からお話ししたいと思います。

私たちの脳にはクセがあって、人生の明るい面よりも暗い面に反応しやすい設定になっています。これをネガティビティ・バイアス(後ろ向きバイアス)と言います。

たとえば今は株価が大荒れですが、株が上がったときに“嬉しい!”と思う気持ちよりも、下落して“ヤバイ!”とダメージを受ける方が、脳へのインパクトが強いんですね。

心理学研究でも、買ったチケットよりも良い席に案内された人はなんの感謝も表さなかったけれど、悪い席に通された生徒たちはものすごく怒ったというものもあります()。

面白いのはこれは生まれつきではなく、生後7か月を過ぎたあたりから、ポジティブよりもネガティブに反応しやすくなるんです。サバイバルのための機能です(『Understanding Emotions』より)。

でもそこにはデメリットがあって、目の前の可能性に気づきにくいということ。不運に比べて、ラッキーを無意識のうちにスルーしてしまうのです。

逆にいえば、「そもそも脳は、後ろ向きにできている」と認めて、即座の判断を手放せば、余裕が生まれて視野が広がるということ。

何の疑問もなく後ろ向き脳に即レスしていたパターンが揺らぐのです。

「ま、いっか」と答えを宙ぶらりんにすることで、ニュートラルな状態に戻れますから。

その状態でものごとをより正確にみて判断することで、必要なこと、必要じゃないことが整理されます。余計なことに気を取られず行動できるようになるので、心から求めるものが手に入るようになるのです。

少し視点を変えてみませんか。

「とりつく島もないことがあってもいい」と肩の力を抜く。するとあなたの頭上には美しい空が広がっていることを感じとれるはずです。

参考:もう1人で悩まなくてOK! オラクルカードで自分を超える答えを導き出す方法。