これをやる、あれをやらない。これを言う、あれを伝えない。あの人と会う、会わない。
人生は選択の連続で、「これを選んでいいの?」と迷ったり、選択したあとにも「あれでよかったのかなぁ…」と思うことって多々あると思います。今回は、迷ったときに心が納得できるスピリチュアルな答えの選び方についてお話ししたいと思います。
私が迷ったときには、まず自分が大事にしているものに戻るようにしています。
それを初心、あるいはなりたい未来の自分やハイヤーセルフとつながるとも言えるかもしれません。
参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
具体的にどうするかというとそんな深い価値観とつながるためには、本を読んで答えやヒントをもらったりすることもよくあります。
たとえば、私の好きなラルフ・ウォルドー・トラインの言葉があります。
トラインは、いまから120年以上前に『人生の扉をひらく「万能の鍵」(英語の題は、In Tune with the Infinite(無限の力とつながる)』という本を書きました。本書は、150万部以上のベストセラーに。自動車王のヘンリー・フォードもまた、晩年に「自分の成功はトラインの本による」と語ったほどです。
その言葉とは、以下です。
楽観主義者は正しいし、悲観主義者もまた正しい。
この二つは光と闇が違うように違うが、どちらも正しい。
どちらも自分の見方、世界観からすれば正しいのだし、
それぞれの人生を決定するのは、世界観なのだ。
それが、力強い人生になるか無力な人生になるか、
安らかな人生になるか苦痛だらけの人生になるか、
成功の人生か失敗の人生かを決める。
―人生の扉をひらく「万能の鍵」より抜粋。
なにが成功か失敗かというのも、そのときのその人の価値観によりますよね。
たとえば、ある人は年収がいくらか必要だと言っても、ある人にとってはその1/10の年収でも幸せに豊かに生きられると感じているかもしれないということもあります。
同じ人でもある時期には一番地位や名誉が大切でも、ときが変われば、大切な人と過ごせる時間をもっとも求めているといったこともあります。
さて私が新入社員のときに、最初に配属された部署は出版社の広告局でした。
編集者志望で入社したのに、その後8年近く広告局に配属されることになったのですが、そこでたくさんの素敵な人たちに出会うことができたんです。
その一人に、部長だったIさんがいます。
Iさんはとっても面白い人で割り箸芸を教えてくれたり、気前よく他の部署の新入社員も含めてお寿司に連れて行ってくれたりしました。私が結婚したときは元夫との相性を当時彼がハマっていたヴェーダ占いのサイトで診てくれましたが、35%だったっけ…。
Iさんはいろんな人の相性を診てあげて(とはいっても自分で占うんじゃなくて、課金制のサイトに自分のお金を払って)、「30万円も使っちゃったよー」と笑い飛ばすような人でした。
そんな豪快で独身貴族のIさんは、銀行にお金を預けずに給料はぜんぶ現金で自宅に置きっぱなし。歩くのは嫌いだからと、通勤はタクシーだったっけ。
今まで自分の周りにはいないタイプの人で、大好きな上司でした。
話がずいぶん逸れましたが、あるときIさんが病気になって入院したんです。そこでとんでもないお金持ちと遭遇したんだそうです。
Iさんのことだから、その方ともすっかり仲良しに。それで、そのお金持ちの方がしみじみとおっしゃったそうです。
「いくら払ってもいい。全財産が無くなってもいいから、命が欲しい」と。
退院したIさんはあいかわらず豪快で面白い方でしたが、少しだけ変わりました。
それで、「土居ちゃん、命の時間ってのはさ。すごい貴重なんだよな」とおっしゃったんです。
当時20代半ばだった私は、「そうですねー」とさも重々承知しているよと返事していました。
今もまだ全然わかっていないのでしょうが、大切な人を亡くしたり、親や自分が病気になったりという経験を重ねるたびに、あのときのIさんの言葉が心に響くんです。
そんな私も少しずつ、当時のIさんの年齢に近づいてきています。
普段の生活で、大事な人たちや自分が病気になったり苦しんだり亡くなったり、生活がうまくいかなくなると、心を痛めたり、落ち込みます。
「あのとき、なんであぁしたんだろう」「どうしてあれが最後の言葉になってしまったんだろう」と。
参考:ありのままの自分で本当に幸せになれるの? マガジンハウスからホームレス編集者へ。アメリカ先住民ナバホ族の集落で死にかけて学べた私の幸福学。
逆に楽しい会話のあとや、良い本に出合ったり、素敵なケーキを食べると、喜びを感じます。
人生の時間が限られているのだと感じるにつれ、そういうことを全部ひっくるめて、なんだか前より少し愛しく感じられるようになってきました。
参考:もう1人で悩まなくてOK! オラクルカードで自分を超える答えを導き出す方法。
私たちは、幸せになりたい、人を元気づけたい、成長し続けたいといった大まかな意図を持ち、この物理世界で冒険しているのではないかと思います。
あらゆる現象で嫌な気分や良い気分を体験しながら、自分の状態を作り変えるという体験を選択しているんじゃないかな。無意識だとしても。
参考:プルシャとプラクリティ
そこで「これを選んでいいの?」と迷ったときに深く納得できる、スピリチュアルな選び方とは。
誰にとっても絶対に正しいという答えがわからず、でもベストを尽くそうとするなら、
あと5年しか生きられないなら、これをやるだろうか。
じゃあ1年なら?
今日が最後の1日だったら、どんなふうに過ごすかな。
この人ともう会えないなら、どんな言葉を伝えるだろう?
今ここでそんなふうに自分のホンネを大切にしながら選ぶという力強さや、選択できる喜びを味わうことだと思っています。