『人生いろいろ』なんて歌もありますが、「なんでこんなことに?」と理解不能な出来事ってありますよね。そこで起きたことや人生の意味を捉えて、建設的に変えていくために必要なのは、目線を少し高くすることです。『無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!』にあった、人生のパズルを解く3段階の「思考」レベルも大変参考になります。それは、人間レベル、脳レベル、神レベルの3つ。思考レベルが上がると見える世界が一新し、現実の流れが激変するというのです。お話したいと思います。
3段階の「思考」レベルを知って、現実の流れを激変させる。
人生の意味について考えるとき、理不尽な体験を社会的・精神的価値に変えた人の人生が参考になります。
それが誰か?を問うとき、わたしの頭に浮かぶひとりがヴィクトール・E・フランクル。
『無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!』著者の梯谷幸司さんも、本の中でたびたび語られる精神学者です。
フランクルは、アウシュヴィッツ強制収容所から奇跡的に生還した方。
自伝『夜と霧 』には、彼が実際に体験した凄惨たる収容所の日々が綴られています。
たとえば、右か左かどちらの列に並ぶかというささいな選択でガス室に送られて一瞬で殺害されてしまうなんてことが日常茶飯事。そんな理不尽な運命を生き抜いたのです。
そこでフランクルが至ったのは、どんなときでも人生には意味があると腑に落ちたという境地。
無作為に殺される収容所のような、あらゆる自由が奪われたような過酷な環境でもたったひとつ自由が残されているという真理です。
彼の言葉では、以下です。
人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない。
—『夜と霧 』(みすず書房)より
究極の状況に立たされたときの(自分も含めた)人間のふるまいをつぶさに観察し続けたフランクル。
もしもその人生の使命を神の目で見たら、そこで得た「人間とは」「人生の意味とは」の深い洞察を世界中の人たちと共有することでしょう。
つまりは、
「人間万事塞翁が馬」(じんかんばんじさいおうがうま)」ということわざもありますが、
当人にとってアンラッキーやラッキーに見える出来事も、その人の人生が終わってみないとわからないもの。
貧困のうちに亡くなり死後に天才とされたゴッホのように、生きている間にわからない場合だってあります。
そこで「なぜ自分だけが?」「どうしてこうなってしまったんだろう?」と自分の思考レベルで答えを見つけようとするのはそもそも不毛なのです。不幸の沼にはまってしまいます。
では、どうすればいいのか?
心理技術アドバイザー/メンタルトレーナーの梯谷幸司さん。
彼の『無意識のすごい見える化 「脳内の親」から解放されれば未来は思い通り!』という本に、3段階の「思考」レベルについてわかりやすく書かれていました。
参考になると思ったので、共有させていただきます。
3段階の「思考」レベルとは?
人間レベル
一般的なものの見方。
(例)「病気は悪いものだから、薬で治さなきゃ」「ビジネスがうまくいかないのはこういうマーケティングが足りないからだ」
(具体例)「私は愛されない人間だから、恋人にも暴力を振るわれる」という思考。
脳レベル
脳のしくみを理解して、自分の内側と外の現象を、投影など因果関係を踏まえて考える見方。
(例)「どういう信じ込みが投影されて、この出来事がつくられているのだろう」
(具体例)「『私は大事にされない、愛されない』という信じ込みがあるために、自分のことを大事にしない、愛してくれない人を選んでしまう。
参考:30年後、AIが人を超え、人は特殊メカで考えるだけで会話する超人に? 戦争か共生か、最先端神経科学が頂点に立つ”ニューロ・キャピタリズム”時代が向かう道
神レベル
自分が生まれてきた意味、全体の善につながるような使命にたどりつける見方。
(例)「一見つらい出来事、悲しい出来事だけれども、それをつくり出した目的ななんなのか? 自分の人生にとっては、それが必要なことだったのではないか」。
(具体例)「愛といやしを与える人でいるために、DVをするような暴力的な人を用意した」→ネガティブな思い込みに気づいて客観的な視点を持ち、スパイラルから抜ける。
神レベルは、ハイヤーセルフの目線と言い換えてもいいでしょう。
参考:ハイヤーセルフと繋がる方法とは? 問題を解決する、自分を超えた答えのダウンロード法
常に神レベルで物事を捉えていると、超越しすぎて実生活からズレてしまうこともあると思います。ふわふわして、グラウンディングできない可能性もあるんです。
そこで3つの思考レベルを行き来しながら、いま目の前にある課題に集中することが大切だと思います。