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イライラ・不安が減り、アンチエイジング効果も。
マインドフルネスの驚く効果。
今回は呼吸3つでできるマインドフルネスエクササイズについてお話します。
マインドフルネスという言葉を聞かれたことがあると思います。イライラ、不安な気持ちや、人間関係などのストレスを減らしたり、仕事の能率や創造性を高めたりするのに良いと話題ですね。ヨーロッパの科学者たちの研究によると、アンチエイジング効果もあるそうです。長く坐禅を行ってきた人たちはテロメアという染色体を保護するキャップの長さが長く、細胞が老けにくいそうです。
研究結果から科学者たちが推測したのは、マインドフルネスや坐禅で育まれる、嫌な気持ちや経験を無いものと無視せず、ありのまま受け入れて、自分に優しくできる心があるほど、テロメアの長さが長いのではということ。
参考記事:納得! 僧侶や尼が「若く見える」理由
私はもともとアンアンの編集者として出版社で働いていました。偏頭痛があったために瞑想を始め、その後ティク・ナット・ハンというお坊さんに出会ったことで、マインドフルネスを始めました。その後会社を辞めて幸福心理学を学び、アメリカの禅センターで暮らし、修行していたこともあります。
参考記事:ありのままの自分で本当に幸せになれるの? マガジンハウスからホームレス編集者へ。アメリカ先住民ナバホ族の集落で死にかけて学べた私の幸福学
マインドフルネスとは、いまここの自分に気づいて認めること。
マインドフルネスとは、いまここに心を集中させることです。それは「腹が立っている」という心の状態を自覚していたり、お皿を洗っているときに、他のことについてあれこれ考えるのではなく、今手に当たる水の冷たさを感じている状態です。
マインドフルネスさえすれば、一気に幸せになって人生バラ色になるというわけではなく、むしろ嘘かと思うぐらい当たり前で地味な実践です。
でもマインドフルネスをやり続けることで、あるとき心と体の体験が沸点をむかえたとき、確実に、自ずと自分の心の状態が代わり、それに従ってものの捉え方や見え方が代わり、解釈が変わることで、外側の現実世界も変わっていきます。
イライラや不安や絶望感で狭まった視野を広げてくれる。
マインドフルネスは、とくに、何かにイライラしたり、不安になったり、自分のことをダメだと絶望的になってはまり込んでしまっているときこそ、素晴らしい助っ人になります。
狭くなった視野を、心と体を緩めることで、ふわっと広げてくれるからです。
ブッダのボクジャな悟りの3ステップを応用!
呼吸3つのマインドフルネスエクササイズ。
とはいえ、マインドフルネス瞑想というと日課にするのはハードルが高いと思います。そこでブッダのマインドフルな悟りの3ステップを応用した、呼吸3つでもできるマインドフルネスエクササイズをお伝えしたいと思います。
ブッダの悟りの3ステップ:これでわかる!マインドフルネスとは何をするのか、どういう状態か。ヴィパッサナーとの違いは?
1. 息を軽く吸って十分に吐きます。自分の内側を観察しやすくなるので、目は閉じます。吐くときに体の感覚を観察し、肩など余分な緊張がある場所は抜きます。抜いていくにしたがって、体がどう変化していくのか、吐く息・吸う息の呼吸に意識を向けながら観察します。体の内側に極限まで集中していきます。
2. 呼吸を繰り返します。集中力を使って、自分の内面(心と体の感覚で今何が起きているのか)をひたすら見つめます。(「『つまらない』という考えが浮かんだ。「右ひざ痛い」などの心と体の変化にリアルタイムで気づく作業を繰り返します)
3つ深呼吸する前の状態とその後の自分の状態が少し変わっていませんか? ちょっとボーッとしていたり、肩の力が抜けて、体が緩んでいたりすると思います。イラッとした気持ちも少し薄れていませんか?
そこで、自分の体と心の状態も含めて、どんな思いも考えも移り変わる。自分の体と心で捉えた目の前の現実はこうに違いない、私はずっとそうだというのは、絶対ではないのだと気づきます。
つまりこれが悟りの3ステップ目です(以下)。
3. 捉え方のパターンや目線の高さによって、現実は無数にあって移り変わるものだと気づく。
マインドフルネスをしても怒りは無くならないが、
感情にのまれにくくなる。
もちろん、マインドフルネスをしていても、イライラしたり、不安は引き続きあります。でも、「これは絶対ではないのかもしれない」「もっと幸せな体験ができるのかもしれない」と捉えられるようになることで、いっときの感情にのまれにくくなります。嫌な気持ちはあっても、それにどう反応するかという心の余裕ができるんですね。自分にとって最善の言動を選ぶことで、内側の変化だけではなくそれに伴った外側の現実が展開され、苦しみが消えていきます。これがブッダのいう悟りの状態です。
ご参考になれば幸いです。